壱番屋 秘書 中村由美氏が添削!

【×BEFORE】
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お礼状

(1)お礼状のフォントには、明朝体・ゴシック体は使わない。毛筆や楷書・行書にしたほうが、より気持ちが伝わる。

(2)一つの単語や名前の途中で改行すべきではない。文節が最低限。フォントの大きさなどで行末を調節する。

(3)通り一遍ではない、リアルで臨場感のあるエピソードが欲しい。思い当たらなくても、貰った手土産を「使わせていただきます」と記すだけで印象が違う。

(4)やや厚かましい印象。「何かにつけ」と平仮名を増やしたり、「~の機会も増えるかと存じますが」と柔らかく。

(5)同じ言い回しを使いすぎ。どうしても使いたい場合は、真横に並ばぬよう位置をずらすなどの工夫をしておく。

【○AFTER】

(1)紙の質やサイズも工夫ができる――普通はA4だが、B5サイズを利用したり、会社のカラーがあれば、その色合いに合わせて淡い色使いの和風の紙の使用もアリ。目上の方や行政関係には白い礼紙を。迷ったときは白い紙が無難。

(2)手書きに近いフォントで丁寧に――「お礼」の文書では、より手書きに近い毛筆・楷書、時には行書のフォントを使用し、心を込めた丁寧な印象に。

(3)改行によってリズム感を出す――文面をリズミカルに読みやすくするため、改行をうまく使うとよい。また、フレーズを考えながら、改行個所をフォントの大きさで調整する。

(4)“次”につなぐために誘い水を打つ――特に興味を持ち感動した点を素直に、具体的に書く。これが“次”のビジネスの誘い水となる。書くトーンは、「○○を勉強したいと思う」程度で十分。直球的な依頼は厚かましい印象を与えるので、お礼状では避ける。

(5)手書きの署名は太めの筆記具で――署名は万年筆か、もしくは1~1.2mmの太めのボールペンを使うと、力強い印象を与えられる。

壱番屋 秘書 中村由美
愛知県生まれ。コンサルタント事務所を経て1989年、壱番屋入社。秘書として創業者の宗次徳二(現特別顧問)、妻の直美前会長(現相談役)、浜島俊哉社長の三代につく。96年、日本秘書協会「ベストセクレタリー」に選出。
(構成=西川修一 撮影=山口典利)
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