ビジネスの場面では、作家のような文章力はいらない。要点をまとめる論理力。数字を駆使した説得力。読み手の興味をかきたてるコピーライター的センス……。達人によるビフォーアフターで、「通る文書」のつくり方を身につけよう。
前マッキンゼー・アンド・カンパニー シニアパートナー 山梨広一氏

ありがちだがダメな提案書の典型とは、それを見たクライアントとの議論が「紛糾しない」タイプのものだ。

概念度が高い言葉できれいにまとめてあるだけだったり、「とりあえず、この手順で事業を展開すべきです」といった形で取り組みのプロセスだけを説明して、結論について言及しない提案書というのはあまり議論にならない。具体的なリスクや問題点が見えてこないから、クライアントも突っ込んでこないのだ。