マッキンゼー 山梨広一氏が添削!

【×BEFORE】
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提案書1

(1)データや課題分析などは、社内でもできること。外部としての付加価値を出すため、分析やプロセスから入るより、最初にはっきりと全体の結論を持ってきたい。

(2)たとえ仮説であっても「~と思われる」「~と考えられる」といった曖昧かつ第三者的な言い方は、極力避けたい。

(3)「オトナ女性」など概念的な言葉を並べても、本当にターゲットにしているのがどういう人かがわからない。誰が読んでもすぐにイメージできる、具体的な言葉で説明したい。

(4)解決策がありきたりで具体性に欠けてわかりにくいうえ、論理的ではない。細かな結論も、具体的な数字などを入れながら、3つ程度の個条書きに落としていく。

【○AFTER】

(1)最初にはっきり結論を書く――最も重要な大枠の結論を初めに書く。この例で、小売業であるクライアントから提示された課題は「逃げた若年層顧客を取り戻す」ことであったが、それが「3年連続赤字」という問題の解決にならないことを分析、別の課題を提示した。必要なら、課題そのものを捉えなおす作業も行う。

(2)比較データは強調する側を大きく――データをグラフなどで出す場合は、強調したいほうを大きくするなどの工夫を。効果的に印象づけることができる。

(3)「仮説」と書いて言い切れ!――相手に、「できる」という意思を伝えるためにも結論は「~と思う」という表現を避けて言い切るべき。確証が取れない場合は、「現在の仮説」と断ったうえで言い切る。

(4)イエスとノーをはっきりさせる――「何をやるか」だけでなく、「何をやらないか」というノーの部分も書き、結論をより鮮明なものに。

(5)具体的な解決策も簡潔な個条書きで――解決策も個条書き3つ程度でわかりやすく書く。だらだらと書いても相手の心には刺さらない。