“We are Ladies and Gentlemen Being Served by Ladies and Gentlemen.”
サービスの小さな躓きに対して、内側にも外側にも配慮しながら、サービスの受け手に留まらずに判断し、対応できる彼のような人を、私は尊敬します。シュルツさんのサービス哲学でもっとも有名なものは、リッツ・カールトンのモットーにもなった“We are Ladies and Gentlemen Serving Ladies and Gentlemen.”、「紳士淑女のお客様におもてなしをする私たちもまた紳士淑女です」という言葉ですが、シュルツさんの哲学を知り、その哲学に基づいたサービスを受けるほどに、“We are Ladies and Gentlemen Being Served by Ladies and Gentlemen.”、「紳士淑女におもてなしされる私たちもまた、紳士淑女でなければならない」という思いが強まります。そしてシンガポール人の彼は、まさしくこのロールモデルだと思います。
彼はどこへいっても、サービスの送り手から大事にされるお客様でした。大切にされるお客様には、サービスの送り手に対する敬意があり、それがサービスの送り手のモチベーションを引き上げ、サービスの質を高める要素となっています。ロイヤルな関係は、相互敬意の好循環によって醸成されるということを、彼のような人たちは日々の行動を通して私たちに教えてくれます。