ダイハツも黙っていない。3カ月後に、「ムーヴ」を改良し29.0キロとし、ワゴンRの燃費性能を0.2キロ抜く。前年の「ミライースvsアルトエコ」の攻防とは逆の展開となる。

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上位10位のうち、6台は軽自動車!乗用車販売ランキング(2013年)(PIXTA=写真)

そこに割って入ったのが、三菱・日産連合だ。翌13年6月に発売した共同開発第一弾の「eKワゴン」と「デイズ」は29.2キロと、参入早々ハイトワゴンでトップの燃費をたたき出す。

だがそれもつかの間、13年7月にスズキが発売した改良型ワゴンRは、30.0キロに向上させる。一方、ホンダが13年11月に投入したN-WGNは29.2キロにとどまった。

この間、セダンでも13年3月にアルトエコが整数の33.0キロを達成。すると、ミライースは同年8月、燃費を従来より11%向上させて33.4キロとした。この時点でミライースはガソリン車の燃費性能トップに立つが、前述したようにアルトエコが35キロを達成してチャンピオンの座を奪い返す。

ドラマ「半沢直樹」の「やられたらやり返す。倍返しだ!!」を彷彿させる“仁義なき戦い”が続いている。

軽メーカーの燃費競争の凄まじさは、軽を生産していないメーカーの技術者には奇異に映るほどだ。

マツダ技術部門の幹部は、皮肉を込めて次のように言う。「軽メーカーの燃費競争は凄まじいが、本当にユーザーのためになっているのか。カタログ燃費を上げるだけの、不毛な戦いにも見える。技術者たちは毎晩の残業をやめて、早く家に帰ったりみんなで飲みにいくべきだ。そのほうがユーザーのためになる発想が生まれるのだから」。

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軽自動車4割の時代へ

軽自動車の13年暦年の新車販売台数は、211万2991台(12年比6.7%増)となり過去最高を記録。登録車を合わせた新車販売台数に占める軽の構成比は39.3%となり、ほぼ4割に達した。

メーカー別の販売台数1位はダイハツの66万186台。シェアは31.2%で前年より2.9ポイント減らす。2位はスズキの62万2416台でシェア29.5%。シェアは0.1ポイント落とした。3位はホンダ。販売台数40万7050台(12年は32万1300台)と驚異的に伸ばしシェアは19.3%(3.1ポイント増)。