創業1年目で黒字、太陽光ベンチャー
「はっきりいって現在のメガソーラー事業はバブル状態にある」――。これが目崎をはじめ大方の関係者の共通した認識だ。それを象徴するのがメガソーラーの急増ぶりである。12年7月にFITがスタートしてから13年7月末までに、10キロワット以上の発電所の設備認定は発電電力ベースで2031万7000キロワットに達した。それ以前に発電を行っていたのは約90万キロワットにすぎず、一気に22.5倍に増えた計算である。
これだけパイが一気に膨らむ過程では、さまざまな新規参入組があった。その代表格は、福島原発の事故を受けてすぐに再生エネルギー活用の旗を振り始めたソフトバンク社長の孫正義が11年10月に設立したSBエナジーだろう。同社副社長の藤井宏明が「13年10月時点での太陽光発電の施設建設計画は、すでに稼働中のもの、15年度に稼働予定の北海道・安平町の111メガワットのものなどを合わせて計15カ所、213.8メガワット分になる」と語るように、桁外れな規模で進めようとしている。
住宅のメンテナンス・リフォーム事業が主体だったウエストホールディングスは、7年前から住宅用ソーラーに進出し、いまでは2メガワット規模のメガソーラーを建設し、商社をはじめとする事業会社に転売する“メガソーラー版デベロッパー事業”に力を注いでいる。しかもメガソーラーに対する予想投資利回りは8~9%にもなり、高い人気を集めている。
当初、250カ所で合計500メガワットの建設計画を立てていたが、この事業を進めるグループ会社のウエストエネルギーソリューション社長の恩田英久は「すでに70~80カ所までの積み上げにメドがついた。今後、計画の倍の水準に持っていけそうだ」と強気の姿勢を見せる。
同社の1メガワット当たりの売却価格は約3億円強。13年8月期のメガソーラー事業の売上高は前期比6.6倍の155億6000万円に急増した。13年10月時点での事業計画では、今期264億9100万円、来期276億8300万円の売り上げ見通しとなっているが、今後、大幅に増額修正される公算が大きい。