買い取り価格は設備認定を受けた年度のものが、実際に発電を開始してから20年間保証される。ただし、買い取り価格は毎年引き下げの方向での見直しが決まっている。ということは、高い価格のうちに設備認定を受けておけば、買い取り価格自体が“利権”になるのだ。

こうした事態に気がついた経産省が、ようやく対策に乗り出したのは12年12月10日のこと。500キロワット以上の設備認定の申請に対して発電所をつくる土地の所有、ないしは賃貸をしていない場合に、地主が譲渡または賃貸する用意があることを証明する書面の提出を求めるようになった。

また、経産省は400キロワット以上の設備認定を受けた発電業者に対して、13年10月末を締め切りにした実態調査も行っている。虚偽報告があった場合に、30万円以下の罰金刑がありうることを明記したその実態調査の依頼状は、当初から転売を目的とした申請者を牽制する狙いがあったようだ。しかし、関係者の間では「これまで設備認定をしたもののうち、実際に発電を開始するのはよくても半分、3割いけば御の字ではないか」という見方が強まっている。

(文中敬称略)

(加々美義人、橋口辰也=撮影)
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