ビジネス用の「スーツ」とは別物だが
そして極めつけは、ボタンです。一般的なジャケットのように孔へ差し込むタイプではなく、パチッと留めるスナップタイプを採用しています。
これらのディテールから、スポーティーに寄せた「ジャケット風」であることは明らか。少なくとも、ビジネスシーンで着用する本来のスーツジャケットとは別物です。
ではなぜ、ワークマンは誤解を招きかねないネーミングにしたのでしょうか。
おそらく、「ワークマン=作業着やアウトドア」という強いブランド認知が背景にあると思われます。「オフィスワークでも使える」と直感的に伝えるため、あえて「スーツジャケット」という極端な名称に着地したのではないでしょうか。
ここまで否定的な指摘が続きましたが、コスパという観点で見れば、このジャケットは非常に優秀です。
通常この価格帯のウォッシャブルジャケットは、ペラッとして安っぽく見えるものばかり。しかし、このジャケットは違います。実際に袖を通してみると、正面から見たときに「肉厚なストレッチ生地」のような重厚感があり、値段以上の質感が成立していたのです。その理由は、先述した「ブルゾン的なつくり」にあります。
ユニクロより上下4000円安くおさまる
じつはこのジャケットは、内側のファスナーを留めればブルゾンのようにも着られる2way仕様になっています。そのファスナー付きのパーツが、襟の内側あたりに折り込まれているため、結果として前身頃(正面の生地)が二重になり、襟まわりに立体感を生み出しているのです。
もちろんビジネスシーンで、ファスナーを閉めて着ることはありません。ですが私が評価したいのは、このギミックの副産物として生まれた正面の「しっかり感」なのです。
価格はジャケットが4990円、同じ生地のスラックスが3990円。上下そろえても8980円です。ユニクロと比較すると、「感動ジャケット」が7990円、「感動パンツ」が4990円ですから、上下で1万2980円(※)。つまりワークマンのほうが、4000円安くおさまる計算になります。
※11月10日からの最新の商品価格
これだけ安く抑えられるうえに、このセットアップには見逃せない付加価値があります。頭でもご紹介したリカバリー機能です。商品名にも冠されている「メディヒール」とは、一般医療機器の届け出をしたワークマンの疲労回復ウェアのシリーズ名で、遠赤外線とセラミックスによる血行促進をうたっています。効果のほどは私にはわかりませんが、着ていると身体がじんわり温まるような感覚がありました。


