長男の言葉が唯一の救い

現在、木島さんは、新たなパートナーとの間に生まれた長女の子育てに、日々、新鮮な喜びを感じている。長男のときとは違い、日々の成長や小さな変化をじっくり味わう余裕も生まれたという。

「娘には絵本をたくさん読み聞かせていますし、言葉が増えたり、会話ができるようになったり、成長の一つひとつがうれしくて。でも、だからこそ息子のときはどうだっただろうと考えてしまうんです。あの頃は必死で、成長の過程もほとんど覚えていない。申し訳ない気持ちは、今も消えません」

そんな木島さんに、中学1年生になった長男は「ママは働いていたほうがいいよ。楽しそうだから」と言ってくれるという。

「その言葉が、私にとっての唯一の救いです」

「誰よりもできる人」を目指すのをやめた今

木島さんは、これまでの「七転び八起き」の経験を振り返りながら、すべてが今につながっているのだと、やわらかな笑みを浮かべる。

「チームには、子育てや家庭との両立に悩んできたメンバーもいます。私自身、働きたくても思うように働けない苦しさを経験してきたので、同じ思いをする人を減らしたい。女性が働きやすい社会にしたいという気持ちは、ずっと持っていました。社会はすぐに変えられなくても、自分のチームの働く環境なら変えていける。マネジャーになって、そう思えるようになりました」

かつては「自分は何者でもない」「何もできない」と自信を持てずにいた木島さん。「誰よりもできる人でなければ」という思いを手放した今、一人一人の力を信じ、それぞれが力を発揮できる場所をつくり続けている。

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