海外の人が衝撃を受けた「無印良品」

ロンドンの無印良品の店で衝撃を受けた。驚くほど品質が高いのに、価格が手頃だったのだ。不思議だった。それであちこちに日本製品を見に行った。すると、包丁、文房具、茶器、キッチン用具など、どれも使いやすく、生活の美を宿していることがわかった。それでいて高級品のような敷居の高さは感じない。品質と価格の両立を達成しているのは、数ある国の中でも日本だけだと思う。 〈ニューヨークの編集者、クリスが日本製品を発見した日〉
無印良品の店舗
写真=iStock.com/winhorse
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クリスのような印象は、多くの人から聞いた。パリ在住の33歳のGは、ファッション・音楽・カルチャープロジェクトのマネージャーだ。彼女は日本とパリのレストランを比較し、「日本では安くてもおいしいものを食べられるが、パリでは5ユーロではまずいものしか食べられない」と述べる。

彼女のこの発言は、日本では低価格帯でも品質と満足度がそれほど落ちないという経験からだ。シンガポール在住の23歳の企業会計監査担当者Nは、ワードローブの20%がユニクロ製品だと話す。ただし、それはユニクロのデザインが「ぜひ欲しいものだから」揃えているという積極的な理由ではない。

「日本製品を買えば、間違いがない」

品質と価格のバランス、つまりコスパを考慮してのことだ。この種の日本製品への愛着の持ち方は、他のユーザーからも聞かれた。無印良品、ユニクロ、ダイソーなどの商品を、積極的な理由ではなく、コスパの良い商品だと割り切って選択し、購入する。日本製品は、生活の中で合理的に選ばれる“標準解”なのだ。

ベルリン在住の36歳の映像・モーションデザイナーのN・Gは、自分の消費傾向を「流行りよりも、質の良いものや自分が気に入ったものを長く使いたいタイプだ」と話す。そんな彼が日常的に買うのは無印良品のノートやペン、ユニクロの下着やスウェット、ダウンなどだ。

この彼の発言には、日本製品が生活のインフラとして入り込んでいること、長く使いたいという指向性と合っていることが見えてくる。前節でも登場したパリ在住の日本専門雑誌の編集者であるエミル・パチャ・バレンシアさんも、品質が良いことが信頼と尊敬に直結すると指摘している。

「フランスでは日本製のモノを買えば、99%の確率で品質が高いと考えられています。例えばファッションブランドのコム・デ・ギャルソン。1969年に設立されて以来、今でもカルト的影響力があるブランドの一つですが、デザインはもちろん耐久性などの面でも非常に質が高いです。このレベルの品質と尊敬を保ち続け、長く続くブランドはそれほどありません」