小学校低学年なら10時間以上を提案

では、理想の睡眠はどのくらいの時間なのでしょうか。

厚生労働科学研究班(研究代表者 栗山健一 国立精神神経医療研究センター)が作成した「Good Sleep ガイド(ぐっすりガイド)こども版」では、1~2歳が11~14時間、3~5歳が10~13時間、小学生が9~12時間、中学・高校生が8~10時間としています。

私はこれらの数値を参考にしつつ、日本の現実を考慮して、次のような目安を提案

しています。

・小学校低学年……10時間以上
・小学校高学年……9時間以上
・中学生……8時間以上
・高校生……7時間以上

おおまかにいうと、小学生、中学生、高校生と成長していくにつれて長く覚醒を維持できるようになるので、睡眠時間は3学年ごとに1時間ずつ減っていくというイメージです。

ただ、睡眠に関しては、非常に個人差があります。小学校低学年の子で11時間以上寝ないと体力が回復しない子もいます。また、中学、高校で体育系の部活に属している子など、厳しい練習で体力を消耗している子は、それを補うだけの十分な睡眠が必要になります。大人でも、たとえば、大リーグの大谷翔平選手は10時間以上眠ることを公言していますが、それは彼の場合、日々の肉体疲労がはなはだしいからです。

中高生の睡眠の場合も、受験進学校の高校生と、毎日が猛練習の運動部員とが同じ睡眠時間であっていいはずがありません。女子の場合、月経周期も考慮しなければなりません。黄体期(高温期)は睡眠の質が低下して、日中の眠気が強くなります。だから、睡眠の長さだけでも普段よりとる必要があります。平常の睡眠時間が7時間なら7時間半、8時間なら8時間半など、少しでいいので長めに眠るべきです。

規則正しい睡眠のリズムについては、本書の第3章でさらに詳しく説明します。

精神科医から一言:発達障害の子は、睡眠不足によって症状が強く出る傾向がある。年齢に応じた必要睡眠時間を確保することで、症状をある程度抑えたり改善したりできる。
(構成=石渡真由美)

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