日常のささいな関わりが安心感を生み出す

さて、こうして相手に関することでの声かけをすることで、少しずつメンバーとの関係をよくすることができたのですが、中には、いっこうに関係が近づいている感じがしないメンバーがいたのも事実です。

正直に言うと、「声かけをしても、あまり意味がないのでは?」と感じることもありました。ただ、そんなメンバーでも、声かけを毎日続けていると、徐々に関係が変わっていきました。何も特別なことをするわけではありません。

・名前を呼んで声かけをする
・変化に気づく

こうした毎日の何気ない行動が、安心感につながるのです。重要なのは、続けることです。その積み重ねが、信頼関係をつくることになります。

とはいえ、忙しいと声かけを忘れてしまうこともあるでしょう。私も気づくと、必要最低限のやりとりだけになっていたこともあります。そんなときは、次のような声かけをしていました。

私「最近、声かけできていなかったね」
メンバー「少し忙しそうでしたね」

これだけでも、メンバーの表情はずいぶんとやわらいだものです。

大切なことなので、もう一度お伝えします。関係を良好なものにしたいなら、意識して声かけを続けることです。声をかけ続けることで、メンバーは「見てもらえている」と感じるようになります。その安心感が、本音を引き出す土台になります。そして、「認められている」という安心感が、意欲を支えます。

1つひとつは小さくても、きっと後から大きな差になることでしょう。

【Point】継続さえしていれば、どんなメンバーでも心を開く

「揃えること」がチームの動きを止めている

以前の私は、「チームは同じ方向を向くべきだ」と強く考えていました。やり方も考え方も、ある程度揃っていたほうが効率的だと思っていたのです。

私「この進め方で統一しよう」
メンバー「わかりました」

一見、まとまっているように思えました。しかし、時間がたつと違和感が出てきます。

悩むビジネスマン
写真=iStock.com/pain au chocolat
※写真はイメージです

・やりづらそうにしている人がいる
・発言が減っている
・動きにばらつきが出る

「皆同じにしているのに、なぜうまくいかないのか?」そう感じる場面が増えていきました。

そこであるとき、メンバーに聞いてみました。

私「今のやり方、どう感じている?」
メンバー「正直、少しやりにくいです」

さらに聞いてみます。

私「どこがやりにくい?」
メンバー「自分のやり方と合っていません」

ここで初めて気づきました。人によって、やりやすい方法は違うという当たり前のことに……。

繰り返しになりますが、私は「揃えること」が正しいと思い込んでいました。しかし、それが逆にチームの動きを止めていたのです。