数字が改善しても生活が良くならないワケ
日本経済も同じです。
金融緩和と財政支出で需要を押し上げても、潜在成長率を高める改革を怠れば、日本全体の稼ぐ力は戻りません。日本人が世界の中で相対的に貧しくなり続けた最大の原因は、供給サイドの目詰まりによって、日本経済の成長エンジンが弱ったところにあるのです。
とはいえ、すべての数字が悪いわけではありません。ここ数年は物価も賃金も上がり、名目GDPも増えています。日経平均が高値を更新し、企業収益が過去最高を記録することもあります。数字だけを見れば、日本経済は回復しているように思えるでしょう。
それでも暮らしが楽にならないのは、成長エンジンが弱ったまま、数字だけを金融と財政で押し上げてきたからです。給料が上がっても、普通の生活に必要な所得はもっと高くなっている。社会保険料と税金も静かに増えている。だから多くの人が、「働いているのに楽にならない」と感じるのです。
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