高級アイスをコンビニで販売?
――実際に、思い切った施策を早くから打たれました。社長就任から半年後の2010年12月には、コンビニでアイスクリームを販売されています。
【シュシャン】このときも、社内の8割から反対されました。ゴディバの高級アイスクリームを、人々が日常生活で当たり前に使っているコンビニで売るというのは、いかがなものかと。当時はアメリカに本社がありましたが、本社からも疑問を投げかけられました。
でも、ゴディバのアイスクリームは、どこで買っても、とても美味しいわけです。素晴らしいアイスクリームです。だったら、わざわざ遠くのお店に行かなくても近くで買えるようにしたほうがいいじゃないかと私は思ったわけです。
また、時代の変化もありました。2010年よりさらに20年前にコンビニに出していたら早すぎていたかもしれません。しかし、2010年はよいタイミングだと感じました。データを見ると、消費者がアイスクリームを買う場所は、コンビニやスーパーマーケットになっていたのですから。
新規客が百貨店まで足を運んでくれた
――これが、実際に売れるわけですね。
【シュシャン】まずは一度やってみようという取り組みでした。そして、実際にやってみたら、大きな成功になりました。こんなに美味しいアイスクリームがあったのか、とゴディバのことを知ってもらう機会にもなりました。
――頭で考えるのではなく、実際にやってみたら、それがわかった、と。しかも、予想外のことが起こっていきます。
【シュシャン】コンビニで買って、美味しかった。そうすると、ゴディバって何だ? ということになるわけです。百貨店に店舗があるようだ。アイスクリームがこんなに美味しいのなら、チョコレートも見に行ってみよう、百貨店のゴディバのお店に行ってみよう、ということになる。
始める前は、社員、本社、そして取引先にも不安の声がありましたが、やってみたら予想以上の成功になりました。アイスクリームが売れただけではなく、ゴディバの存在を知ってもらえて、相乗効果で既存のゴディバのお店の来店客数まで増えたのです。ブランドのほうから、お客様のライフスタイルの中に入っていくことで、お客様とブランドのタッチポイントが拡大した効果ですね。

