未婚者に比べ既婚者が長生きするワケ

一つ目は、孤独の解消だ。独身の人は、社会的にも感情的にも孤立しやすい。それがストレスやうつにつながり、健康にじわじわと影響していく。友人や同僚がいくらいても、毎日「家で待っている人」がいる安心感とは、やはり次元が違う。

二つ目は、生活習慣の改善だ。独身だと食事が不規則になったり、運動不足になったりしやすい。だが結婚すれば、誰かと食卓を囲む機会が増えるし、相手に見られているという程よいプレッシャーも働く。結果として、自然と生活が整っていく。実際に、既婚者は定期健診の受診率も高いことが、多くの研究で確認されている。

ここで、ちょっと面白いデータも紹介しておこう。「未婚」ではなく「離婚」や「死別」した人はどうなるのか、という話だ。

同じ研究によると、離婚した男性の死亡リスクは既婚者の1.5倍、死別は1.3倍。生涯未婚と比べると低いが、それでも既婚者よりは明らかに高い。

一方、女性では離婚や死別による有意な差はほとんど見られなかった。つまり、男性はパートナーを失うと健康を損ないやすいが、女性では同じ傾向がほとんど見られない、ということだ。女性は強い。

20代男性が抱く結婚費用への恐れ

「仕事が安定したら、一緒になりたい」
「お金が貯まったら、プロポーズする」

彼女から結婚への圧力を感じ取った20代男性から、よく耳にする言葉だ。

この発言の真意は、彼女に対する責任感の表れであると同時に、結婚に伴う莫大な出費への恐怖でもあるのだろう。婚約指輪、結婚指輪、結婚式、新婚旅行、新居への引っ越し費用。一つひとつが数十万円以上かかるのに、その出費が一気にやってくる。収入が安定していない若者が結婚を躊躇ちゅうちょする気持ちは、よくわかる。

しかし、冷静に考えてほしい。これらの出費はすべて任意のものだ。極論を言えば、ブライダル業界が長年かけてつくり上げた「常識」にすぎない。

結婚式なんて挙げなくてもよいし、新婚旅行に行かなくたって誰も困らない。「婚約指輪は給料の3カ月分」なんて基準も、1970年代にダイヤモンドを扱うデビアス社が仕掛けたキャンペーンにすぎない。

結婚そのものは、役所に婚姻届を提出するだけの無料の手続きなのである。理論上は0円で済む。大切なのは、お互いの経済状況を見ながら「どこまで費用をかけるか」を2人で相談することだ。実際、最近はシンプルに婚姻届の提出だけで選ぶカップルも増えている。

そう、結婚は思っているほどコストがかからない。

積んで置かれたコインと釣り合いのとれている結婚
写真=iStock.com/marchmeena29
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