相手の話にきちんと耳を傾ける

point 聞くことは相手を尊重する具体的な行為である

人は、自分の話をきちんと聞いてもらえたとき、「大切に扱われている」と感じます。反対に、話を軽く受け流されたり、頭ごなしに反論されたりすると、「自分の考えは尊重されていない」と感じてしまうことがあります。

「相手に最高の評価を与える方法のひとつは、相手の話に耳を傾けることである。辛抱強く聞くことは、『あなたの話は聞く価値がある』という意思表示になるからだ」
(レス・ギブリン『人望が集まる人の考え方』/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

話し手を尊重するために大切なのは、立派な言葉を返すことではありません。相手の自尊心を傷つけず、その人が安心して話せるように聞くことです。

◆相手を尊重していることが伝わる聞き方

(1)相手の顔を立てる

藤吉豊、小川真理子『「聞く力のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)
藤吉豊、小川真理子『「聞く力のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)

話し手を尊重するには、相手の顔を立てることが大切です。相手の話に納得できない部分があっても、その場で正論をぶつけると、相手は「傷つけられた」「恥をかかされた」と感じることがあります。

まずは「この人は、そう考えているのだ」と受け止め、相手の立場や考え方を理解しようとすることが大切です。

日本国内だけで500万部を誇る大ベストセラー『人を動かす【改訂文庫版】』(D・カーネギー/創元社)では、作家アントワーヌ・ド・サンテグジュペリの言葉として知られる、「相手の自己評価を傷つけ、自己嫌悪におちいらせるようなことを言ったり、したりする権利は私にはない。大切なことは、相手を私がどう評価するかではなくて、相手が自分自身をどう評価するかである。相手の人間としての尊厳を傷つけることは犯罪なのだ」を紹介し、次のように結論づけています。

「真のリーダーは常に次の原則に従う。(中略)顔を立てる」

耳の横に手を添えて聞く姿勢を見せる男性
写真=iStock.com/nicolas_
※写真はイメージです

批判的な言葉は控える

(2)相手を傷つけない返し方をする

話し手を尊重するには、相手を傷つける言葉を避けることも大切です。何気ない「意味がわからない」「考えすぎじゃない?」といった言葉でも、相手は「自分の考えを軽く扱われた」「気持ちをわかってもらえなかった」と受け止めることがあります。

とくに、まだ信頼関係が十分でない相手には批判的な言葉は控えます。聞き取れずに聞き返すときも、「よくわかりませんでした」ではなく、「もう少し詳しく教えていただけますか」と、相手が受け取りやすい形にします。

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