公明党は「ゆ党」になるのか
近頃は、何でも反対の野党より「ゆ党」の方が、現実的で望ましいという議論が目立つ。国会議員なら、審議拒否や週刊誌ネタによる追及で無駄な時間を過ごすより、すこしは与党に協力して政策を前に進めるべきだ、という具合である。
しかし、政党の役割は、政権与党の政策や政治姿勢が間違っていたら、それを正して、自分たちが目指す政治を実現するために、政権獲得を目指すことだろう。与党との連立であれ、政権交代であれ、政権の枠組みを変えることが、政党の目標であるべきだ。だが、公明党だけでなくいまの野党には政権を倒して取って代わろうと言う気概もエネルギーも感じられない。
このまま、野党陣営は先細りになるのだろうか。
筆者は簗農水相の問題が一つの転機になるのではないかとも考えている。
高市首相は8日、簗農水相の「予算カット」発言について、「不適切と考え、厳しく注意した。政治家の発言についてはまず本人が適切に説明することが重要だ」と述べ、今のところ、簗氏を更迭する考えはないと表明した。
ニュース映像でも明らかになっているように簗氏は、高市首相が「私の大事な簗ちゃん」と呼ぶ親しい議員だ。旧安倍派の裏金関係議員だが、「アンケート」を熟読して能力、適性を見極めて起用したとしている。その簗氏を更迭したりすれば、そんな不適格者を選んだ首相の任命責任も厳しく問われることになる。
「私の大事な簗ちゃん」が最初の試金石
これまでもそうだったように、野党やマスコミがいくら騒いでも、強気で突っ張り通せばいずれ世間は忘れてしまうだろう――そう考えているのかもしれない。
しかし、選挙で支持しなかった自治体の予算をカットするという、まさに税金の使い方にも関わる重大な疑惑である。野党だけでなく自民党や日本維新の会の与党内からも、簗氏の進退を問う声が出始めている。このまま閣僚の座に居座り続けられるとは考えにくい。
いずれにしても、消費税減税という税の集め方が焦点になる国会論戦のなかで、この問題を引きずったままでは、公明党はもちろん野党全体が協力する余地がなくなる。少しでも妥協したり、協力したりする姿勢を見せると、何か裏取引でもあるのではないかと疑いの目を向けられるからだ。与党が少数の参院での審議は簡単には進まないだろう。
かつて佐藤栄作元首相が言った「内閣改造するほど総理の権力は下がる」という言葉が、高市政権にも当てはまるのか。政界の空気には次第に緊張感が漂い始めている。
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