予算不足でもグサリと刺さった「かけ恋」

紙幅の関係であまり多くは取り上げられないが、今クールトップ作品として2位の『幼女戦記II』はシーズン1期の放送開始から10年、映画版から7年と、2期までずいぶんと時間を要したが高評価である。2期では1期のバトル中心からより、政治中心になっている。

4位の『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』はとにかく英語ユーザーの評価が高い。

「歴史上、BLEACHを超える作品は2度と生まれないだろう」「愛するキャラクターたちが新しいアートスタイルで描かれ、サウンドトラックが再構築され、アニメーションのレベルも一新されたのを見て、何度も涙がこぼれました」など熱いコメントが並ぶ。

10年ぶりに復活したこの作品は、日本では回帰ファンは限定的だが、比較的新しい海外ファンには垂涎の、しかもバトルアクションが多めの絶賛アニメとなっている。

6位の『正反対な君と僕』も1期に続いて高い評価を得ている。

トップ10の中で今回注目しておいたほうがよいのは10位の『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』(かけ恋)である。

2023~24年連載のラノベ作品で、24年にコミカライズ、25年にドラマ化もしている。基本的にアニメとしてのクオリティはそこまで高いものではない。というよりも予算が限られていた作品だろう。

マカリアというアニメ会社も2023年に新設されたばかりの新しいスタジオだ。それでも本作は3カ月のうちに2万→10万登録と多くのユーザーを獲得し、評価も8.2と高い評価を得ている。

透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。
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「かけ恋」は、SBクリエイティブの「GA文庫」が主催するライトノベル公募新人賞「第15回 GA文庫大賞」で《大賞》を受賞している。

「四月は君の嘘」や「君すい」に匹敵する

この人気はなぜだろうか。海外ファンのコメントが参考になる。

「もしあなたが、人生で大切に思い、永遠に共に過ごしたいと願う人がいるなら、これは必見です。盲目の少女と、彼女の境遇を受け入れていく少年を描いた感動的な物語です。感情描写からストーリー展開まで、あらゆる意味でリアルな作品です」

というように、「かけ恋」のストーリーは、自意識過剰で他人との間に過剰に防衛線をはってしまう大学生の主人公が、盲目の同級生に出会い、だんだんとその人格が変わっていく話である。

別のファンは「今シーズン最高のアニメ作品の一つで、『四月は君の嘘』や『君の膵臓をたべたい』といった作品に匹敵する傑作です。中盤から強烈なインパクトがあり、最終話で堰を切ったように感情が溢れ出すまで、その勢いは止まりません」とコメントを残した。

過去の切ない恋愛アニメを彷彿とする、いわゆる心の琴線に触れる作品だ。

「もっと予算をかけて、より多くの視聴者に届けられたらよかったのにと思いますが」というコメント通り、アニメとしての描画クオリティに限界があり、それがゆえにマスに広がり切っていない。だがストーリーそのものは良いのだ。

【図表2】2026年7~9月のアニメ評価トップ10
筆者作成