東日本大震災以降、自然災害のリスクを考慮した資産管理を意識するようになった人も多いのではないだろうか。非常用袋の中身から被災後の各種手続きのコツまで「有事のお金の守り方」を伝授する。
被災して一時的に親戚宅や避難所などで生活をする必要が生じたときに気になるのが、空き家となった自宅に泥棒が入らないかどうかだ。実際、東日本大震災の被災地では、空き巣の被害が多発したと聞く。しばらく家を空けても大丈夫なように、ある程度の防犯対策は講じておく必要がある。
防災・防犯アドバイザーの和田隆昌氏は、窓を割ろうとすると振動が伝わって警報音が鳴り響く「衝撃感知アラーム」の設置を勧めている。
「民間のセキュリティサービスが行っている防犯システムは、平時であれば非常に有効ですが、今回のように大停電が生じるとシステムが作動しなくなります。被災時は、ドアや窓に電池式の衝撃感知アラームを張り付けておくほうが有効です」
空き巣の多くはリビングのガラスを割って侵入するので、各部屋に張るのが大変なら、まずはリビングの窓ガラスに設置したい。また、ガラスを強化する防侵フィルムを張って、二重に防御しておく方法もある。
停電時でも使えるソーラー発電式LEDセンサーライトも防犯効果が高い。ドアやベランダ、庭などに設置し、人が近づくと光るようにするのだ。外部からの侵入者も、この手のライトが突然光ると警戒するようで、これだけでも驚くほど泥棒の侵入を防ぐことができるという。
「『防犯してます』とわかりやすくアピールするほうが効果的です。盗む側は少しでも捕まるリスクを減らしたいため、防犯意識が高そうな家は通常狙わないからです」と和田氏は言う。