異論が出ない会議の落とし穴
いろいろな意見が出て、まとめるのに苦労する会議は、むしろ健全で成果も出ている。
厄介なのは、盛り上がらない会議のほうだ。誰も何も喋らず、シーンとしている会議は歩留まりが低い上に、場の雰囲気も悪くなる。関係者の空気が悪くなると、往々にして仕事にも支障を来す。
誰からも意見が出ないとき、「では、異論がないようなので、これで進めますね」と議題を締めてしまうことはできる。
しかし、そのときは黙っていた人が後になって抵抗勢力に回り、面倒なことになるというのもよくある話だ。
それを避けるためにも、会議では各人に自ら発言してもらい、納得して進めるのが理想である。発言が出ないようなら、一人ずつ順番に指名して意見を求めるのもいい。
学級会じみて幼稚にも思えるが、意外と効果的だ。
なお、会議の場ではなく、後から一人ひとりに意見を聞いて回るタイプの人もいる。だが、それではコンセンサスは取れず、各人がバラバラなことを言ってまとまらない。仕事が終わらないパターンにまっしぐらだ。
あえてちょっとバカの役を演じる
意見を引き出すテクニックとして、進行役があえて極端なことや、少し間違ったことを言うという手もある。いわゆる「マクドナルド理論」だ。
「昼飯、どうしよう?」と声をかけても、誰も何も提案しない。そんなとき、誰かが「じゃあ、マクドナルドにしよう」と言う。すると、「マックはちょっと……」「焼肉にしようよ」などと意見が出始める。最低限のたたき台を誰かが先に出すと、他の人は「それよりいい案を出そう」とする。その心理を利用したテクニックである(ちなみに私は、マクドナルドのハンバーガーも時々無性に食べたくなるのだが)。
同じ理屈で、ある分野に詳しい人の前でわざと少し間違ったことを言えば、その人は喜々として訂正してくれる。アイスブレイクにもなるし、基本知識をみんなにレクチャーしてもらう機会にもなる。
会議に限らず、「間違えないように」「バカにされないように」と気を張りすぎないほうがいい。あえてちょっとバカの役を演じたり、人から指摘されても気にしなかったりする度量があるほうが、人との関わりはうまくいくものだ。
