1ドル165円で換算されてしまった

また、もう1つの高価格化要因である円安についても今年は厳しい。昨年は1ドル150円前後で計算されていた国内価格が、今年は1ドル165円前後で計算されているのだ。記事執筆時点(9月11日)での為替レートは1ドル153円強なので、正直、もうちょっとなんとかならないのかと思ってしまう。昨年同様1ドル150円のレートであれば、32万9800円(税込)だっただけに残念でならない(それでも十分高いのだが)。

【図表2】iPhone 18 Pro/DUOとiPhone 17 Proの価格比較、円ドル換算レート

ちなみにライバル機と目されているサムスンの「横ワイド」折りたたみスマホ『Galaxy Z Fold8』は記事執筆時点でSIMフリーモデルが26万9800円だった。このくらいが適正価格なのではないか。

低価格化を実現できなければ…

さて、『iPhone Duo』の初代モデルとは思えない完成度の高さと、よほどのファンでも購入をためらう強気な価格設定から思い起こされるのが、アップルが2024年6月に59万9800円で国内発売したMR(複合現実)ヘッドセット『アップル Vision Pro』だ。圧倒的なスペックと、それがもたらす体験が高く評価されたものの、ライバル製品が10万円台という中で苦戦が続き、今ではシリーズ存続の危機とまで言われている(恥ずかしながら筆者も勢い任せで購入したのだが、ここ1年は全く使っていない)。

Apple Vision Pro
筆者撮影
筆者保有のApple Vision Pro。現状、飲み会でウケる以外の使いみちがない

先に現在の『iPhone Duo』のおかれた状況が「いつものアップルの勝ちパターンのようにも見える」と評したが、同時に、『Apple Vision Pro』がハマった負けパターンに陥っているようにも見える。いや、率直に言うと、この価格では後者のルートまっしぐらだろう。そして『iPhone Duo』の失敗は、アップル参入による市場規模拡大を期待していた折りたたみスマホ市場全体をぶち壊すことにもなりかねない。

では、10年後に「折りたたみスマホ? ああ、そういうのあったね~」とならないためにはどうすればいいか。正解はシンプル、とにかく低価格化だ。せめてライバル同等の20万円台後半、できれば20万円台中盤を実現してほしい。対応アプリやサービスをしっかり作っていかねばならない『Apple Vision Pro』と異なり、『iPhone Duo』には、iPhone/iPad向けの既存アプリやサービス群をそのまま使える強みがある。価格の問題さえクリアできれば、より画面の大きなiPhoneが欲しいという層からの支持を受けられるはずだ。

iPhone DUO、Zoomの画面
出典=アップル公式サイト
iPhone Duo、Zoomの画面