折りたたんだ状態でも使いやすい新発想UI

ただし、横ワイドなディスプレイを搭載した折りたたみスマホは、閉じた時に縦方向の情報量が少なくなる弱点がある。これまでに発売されてきた横ワイドな製品もその辺りがネックとなっていたのだが、『iPhone Duo』は画面の右端にボタンなどのコントロール領域を寄せることでこの問題を解決してみせた。

iPhone DUOを折りたたんだ画面
出典=アップル公式サイト
iPhone Duoを折りたたんだときの画面

見せられると誰でも思いつきそうなアイデアだが、実はこれをAndroid陣営が実現するのはなかなか難しい。自社でハードウェアもOSも開発し、(批判も多いが)アプリメーカーに対応を半ば強制できるアップルなればこそ実現できた解決策といえよう。

なお、本体を折りたたんだ際のアウターディスプレイの縦横比も内部ディスプレイと同じ1.4:1。これによりインナーディスプレイを折りたたんでアウターディスプレイに表示が切り替わった時に感じる違和感を抑えられるとのこと。もちろん、こんなことをやっているのはアップルだけ。「体験」に対する異様なまでのこだわりを感じるところだ。

加えて、画面を開いたり、閉じたりする際のエフェクトのセンスも素晴らしい。表示しているコンテンツはそのままにフレームのサイズだけが変わる様子を見事なアニメーションで見せてくれる。これはぜひ、店頭で確認してみてほしい。つい、パカパカしたくなりそうだ。

ディスプレイの折り目は見えるのか?

さて、折りたたみスマホと言えば、気になるのは、ディスプレイの折り目が見えるのか、見えないのか、だ。結論を言うと、『iPhone Duo』の折り目はほとんど目立たない。サムスンやファーウェイら、すでに多くのノウハウを蓄積している先行メーカーと比べても勝るとも劣らないフラットさを実現している。

ポイントは大きく2つ。まずは徹底的に作り込んだ(コストもたっぷりかけた)特製ヒンジで折り目の見えない構造を実現していること。アップル曰く、ヒンジには100以上の精密部品が使われており、それぞれの部品の公差(部品ごとのごくごくわずかな個体差)をレーザーで正確にスキャンし、AIで最もフィットする組み合わせを選んで組み上げているのだとか。この極めて緻密に組み上げられたヒンジがインナーディスプレイ中央部をしっかりと支え、ディスプレイパネルを高強度ガラスで挟み込むといった、他の細かな工夫と合わせ、段付きを極限まで抑え込んでくれる。

iPhone DUOの折れ目
出典=アップル公式サイト
iPhone Duoのヒンジ部分

さらにインナーディスプレイの表面処理に映り込みを抑えるアップル独自のアンチグレア技術「Nano-texture(ナノテクスチャー)」を採用したことも、見えない折り目に貢献。外光の映り込みによって折り目が浮き彫りになることを防いでいる。

ただし、折り目問題にはもう1つ、耐久性というチェック項目がある。こればかりは実際に使い込まれてみないと分からない。すぐに折り目が見えるようになってしまうのか、あるいはずっと美しいまま使い続けられるのか、長期的な検証が必要だ。

iPhone DUOを広げて動画再生した画面
出典=アップル公式サイト
iPhone Duoを広げて動画再生した画面