折りたたみスマホの決定版になる?

たしかに薄さ約11.3mm、重量約254gの『iPhone Duo』に対し、よく似たスタイルの『Galaxy Z Fold8』は薄さ約9.7mm、重量約201gとスリムかつ軽量だ(兄弟モデルの『Galaxy Z Fold8 Ultra』は約8.9mmとさらに薄い)。Android陣営の折りたたみスマホはどれも薄型化・軽量化を実現しており、それらと比べて『iPhone Duo』がずっしり、ぼってりとした製品であることは否めない。

何より、既に8年も前からあるジャンルに、まるで自分たちが新発明したかのような顔をして参入してくるいつものアップルスタイルにダサさを感じた、あるいはイラ立ちを覚えてしまった人も多いことだろう。

Apple公式サイトより
出典=アップル公式サイト
iPhone Duoの紹介(アップル公式サイト)

しかし、アップルの「イノベーション」(新開発)は、実のところいつもこうだ。デジタル音楽プレイヤーも、スマホも、タブレットも、スマートウォッチもアップルが「発明」したものではない。すでに先行して製品化されていた原形を、誰もが使いたくなる形に「完成」させることこそ、アップルのすごさ。

そして、折りたたみスマホ市場は、Android陣営が8年かけて育ててきたにもかかわらずいまだ未成熟だ。形状の試行錯誤は続いているし、市場規模もグローバルで1.4%程度と極めて小さく、保守的な国内市場では約1.1%とさらに低迷している(MM総研調べ)。

このありようは、まさにいつものアップルの勝ちパターンのように見える。かつてiPodがマニア向けのガジェットに過ぎなかったデジタル音楽プレイヤーを一般化したように、iPhoneがガラケーを駆逐したように、アップルが、折りたたみスマホを誰もが欲しがる、これからのスマホの大本命にしてしまうのだろうか?

iPhone DUO
出典=アップル公式サイト
iPhone Duoは2色展開

画面比の正解は「横ワイド」?

では、ここからはアップル初の折りたたみスマホとなる『iPhone Duo』について、その詳細を確認・評価していこう。

まず、目玉の折りたたみディスプレイは開いた状態で7.6インチとなる。iPad miniの画面サイズが8.3インチなので、それに近い大きさと考えるとイメージしやすいだろう。ポイントはそのアスペクト比(画面の縦横比)が、1.4:1=4.2:3であること。これは、iPadが伝統的に採用してきた4:3のアスペクト比に近く、iPadのために用意されたさまざまなアプリやサービスをほんの少し手直しするだけで利用できることを意味する。IMAXフィルムフォーマットの映画もほぼそのままの画面比で再生できる。

iPhone DUOを閉じた状態と広げた状態
出典=アップル公式サイト
iPhone Duoを閉じた状態(左)と縦に広げた状態(右)

実はAndroid陣営の折りたたみスマホのアスペクト比は正方形に近いものがほとんど。これだと閉じた状態での使い勝手が既存スマホに近くなる反面、肝心の開いた状態での使い勝手が縦長画面の中途半端なものになってしまう問題があった。そのため、ここに来てサムスンやファーウェイらがアスペクト比4:3(通称「横ワイド」)の製品を相次いで発表している。アップルの選択もあり、今後の折りたたみスマホはこの横ワイドが主流となっていきそうだ。

iPhone DUOを広げた状態
出典=アップル公式サイト
iPhone Duoを横に広げた状態