行動しないと必要な情報は得られない

お金に関する意思決定は複雑だ。それぞれの決断には、互いに影響し合う無数の要素が含まれていて、その結果を正確に予測することはできない。

分析に陥るのは簡単だ。

賃貸か持ち家か?
投資か住宅ローンの返済か?
新しい仕事を受けるか現状維持か?

こうした判断には、スプレッドシートや計算ツールが重要だ。リスクを考慮し、メリットとデメリットを比較し、母親に相談し、また分析する。でも、そのすべてを終えたあとに訪れるポイントがある。それ以上考えても、もう答えは出ないという瞬間だ。

そのとき必要なのは、行動することだ。

次の決断に必要な情報は、行動によってしか得られない。

正しい答えは考えただけでは導けない。行動することによって、そこに到達するのだ。

小さな決断一つひとつが、次の決断への扉を開く。

「小さな行動」が最強な理由

大胆な目標に取り組むとき、大胆な行動は必要ない。

必要なのは、伝染する魔法のような小さな行動だ。

例を挙げよう。

旅行中は運動する気になれないことが多い。そこで小さな約束をひとつする。

朝起きたら、ジム用の服を着る。

それだけだ。

一度着替えてしまうと、「せっかくジム用の服を着ているのだから、このままジムまで行ってみよう」と思う。

ランニングマシンでトレーニングするスポーツウェアを着た日本人青年
写真=iStock.com/west
※写真はイメージです

ジムに着くと、エアロバイクを見て「数分漕げば気持ち良さそう」と思う。だから漕ぐ。

エアロバイクを終えたら、もうジムにいるのだから、他の運動もやってみようと自然とつづく。

ストレッチもする。甘いジャンクフードではなく、健康的な朝食をとる。旅先で仕事に取りかかる頃には、気分が最高だ。

「伝染(連鎖)」という言葉の意味がわかるだろう?