「温度」に加えて「音の環境」も大切
また、温度だけでなく湿度の管理も重要です。
睡眠に最適な湿度は、40~60%前後とされています(※4)。日本の家は特に、梅雨時期や雨の日、あるいは冬の結露などにより、湿度が高くなりやすい傾向があります。
夏の寝苦しさは温度のせいと思っている方が多いかもしれませんが、高湿度の環境も睡眠へ大いに影響しています。湿度対策も同様に大切です。
さらに、高い湿度環境は、寝苦しさを感じるだけでなく、ダニやカビが繁殖しやすい状態ともいえます。これらはハウスダストアレルギーの原因となり、くしゃみ・鼻水・皮膚のかゆみといった症状を引き起こす可能性もあります。アレルギーを発症すると、睡眠の質も低下してしまうでしょう。
そして、睡眠においては「音の環境」も大切です。
最近では、音楽や動画を流しながら寝落ちする習慣のある方も増えているかもしれません。ベッドでも気軽に楽しめる娯楽が増えたため、音が流れている状態で就寝する方は少なくないようです。しかし、起きているときは「心地よい音」でも、就寝中には「騒音」になりえます。
実は毎日の睡眠に悪影響を及ぼしている音
さらに都心部では、近くを走る車の音、電車の音などの環境音も睡眠時に「騒音」となっている可能性があります。WHOが推奨する寝室での音の大きさは30デシベル以下です(※5)。30デシベルとは、深夜の郊外、鉛筆での執筆音と同程度の静けさです。
毎晩のように耳元で流れっぱなしの音楽や、慣れたと感じているいつもの交通音は、目安の30デシベルを超えているかもしれません。
そしてもう1つ注意したいのが、就寝中の一時的な突発音です。突発音の場合は45デシベル以下がWHOによる目安です。
家族が眠っているときのドアの開け閉め音や、壁の照明スイッチを切り替える「カチッ」という音も、製品や操作法によっては45デシベルを超える可能性もあるので注意が必要です。
温度、湿度、音に対しては「慣れてしまった」と感じていても、実は毎日の睡眠に悪影響を及ぼしている可能性が高いです。それはつまり、環境を整えることで、あなたの睡眠の質がさらに上がる可能性もあるということです。
※4 Caddick ZA, Gregory K, Arsintescu L, Flynn-Evans EE. A review of the environmental parameters necessary for an optimal sleep environment. Build Environ. 2018 Mar;132:11-20.16
※5 World Health Organization. Guidelines for Community Noise. Geneva: World Health Organization; 1999. Chapter 4: Guideline Values.

