自分がどこにいるのかを「マッピング」

②外感覚的自己(身体的・環境的自己)

関連する部位・ネットワーク:側頭頭頂接合部(TPJ)、外側前頭前野、頭頂外側皮質系、頭頂葉、島皮質、運動前野が関与、関連するネットワークはCEN(セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク)。

外界の情報を処理し、他者や環境に対して適切な行動・コミュニケーションを選択・実行する。

五感(=外受容感覚……視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)から入ってくる情報をもとに、他者の表情や周囲の状況、空間的な位置関係などを把握する領域です。

また、「どこまでが自分でどこからが他者・環境か」という境界を認識し、自分と他者を適切に区別する働きも担っています。ここで認知される自己を「外感覚的自己」あるいは「外受容的自己」と呼びます。

外界と関わるとき、脳はまず感覚器官から情報を収集し、その膨大な情報の中から必要なものに注意を向けて「知覚」します。そして過去の記憶や経験と照らし合わせて状況を理解し、適切な行動や言葉を選んでコミュニケーションや危険回避に活かします。このように、外界と自己との間には相互作用があります。また、自分の身体が外界のどこにあるかを「マッピング」し、対象物までの距離や方向を正確に把握する働きも担っています。

ぼやけた人々と共に広大な白い空間に一人でいるビジネスマン
写真=iStock.com/Abu Hanifah
※写真はイメージです

身体の内部状態をすぐさま感知

③内感覚的自己(身体の内部感覚)

関連する部位・ネットワーク:島皮質、前部帯状回、内側前頭前野が関与、関連するネットワークはSN(サリエンス・ネットワーク)。

呼吸・心拍・痛み・空腹感など身体内部の信号をリアルタイムで検知し、感情の基盤と生命危機のアラームを担う。

呼吸・心拍・空腹感・痛み・筋肉の緊張など、身体の内部状態をリアルタイムで感知する感覚(内受容感覚)の領域です。ここで認知される自己を「内感覚的自己」あるいは「内受容的自己」と呼びます。生命維持や感情の基盤となり、身体の無意識のサインをキャッチして、危機回避や健康維持に役立てています。なお、喜怒哀楽などの感情は、内受容感覚だけでなく、外受容感覚とのバランスから生まれることが最新の研究で明らかになっています。