「直系長子」の愛子さまにふさわしい公務

8月17日には、東京都内で開かれた「第37回半導体物理国際会議」の開会式に臨み、挨拶を行っている。愛子内親王が国際会議で挨拶するのは2回目で、前回は昨年5月に開催された「第23回世界災害救急医学会」の開会式においてだった。

愛子内親王は、日本赤十字社の常勤嘱託職員であり、災害救急医学と無関係ではない。その開会式において、公務として初めて「お言葉」を述べることになったのも、縁が深い学会だったからであろう。

ところが、半導体となれば、大学で日本文学を学んだ愛子内親王にとってはさほど縁がないものである。半導体関係の学会なら、もっとふさわしい皇族がいるのではないかという声も出てくるであろう。実際、秋篠宮のように、理系の研究者として博士号を取得している皇族もいる。

ただ、半導体物理国際会議は、極めて重要な国際学会である。愛子内親王の挨拶の中でもふれられていたが、半導体はさまざまなデジタル技術において活用されており、現代社会を成り立たせる上で不可欠な存在になっている。しかも、半導体物理国際会議が日本で開催されるのは、2000年の大阪大会以来26年ぶりのことである。

そうした重要な国際会議には、天皇直系の愛子内親王が最もふさわしい。そうした判断が働いたからこそ、愛子内親王が開会式に出席し、挨拶をすることに結びついたのであろう。そこには、直系の内親王ならではの重みがあり、これで愛子内親王の存在感は、いっそう高まった。

天皇家と縁深い「真珠の耳飾りの少女」

さらに、今回の「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」である。

何より重要なのは、この絵画と天皇の関係が深いことである。今上天皇も皇太子時代の2012年、日本での公開時にそれを鑑賞している。今年の6月にオランダを訪れた際にも、この絵を所蔵するハーグ市のマウリッツハイス美術館で、ふたたび鑑賞している。おそらくこの時点で、愛子内親王が、オランダ王国大使館が後援する「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」の開会式に臨席することは決まっていたことだろう。

「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」の鑑賞のため、大阪中之島美術館に到着された愛子さま=2026年8月20日午後、大阪市(代表撮影)
写真=共同通信社
「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」の鑑賞のため、大阪中之島美術館に到着された愛子さま=2026年8月20日午後、大阪市(代表撮影)

フェルメールはオランダを代表する17世紀の画家である。その死後に忘れられていた時期もあるが、19世紀の半ばに、「光の魔術師」として再評価され、今では世界に多くのファンを持っている。何より、残されている作品は30数点しかない。母国のオランダで所蔵されているのも、わずか7点である。その中でも、「真珠の耳飾りの少女」はフェルメールの代表作の一つである。

そのオランダの至宝ともいうべき「真珠の耳飾りの少女」に、今回、愛子内親王は初めて接した。

いわば、一枚の絵の鑑賞を通して、愛子内親王が天皇と同じ道を歩んでいることが改めて示されたのだ。