専門家の見解と県の主張にズレ

弁護士ドットコムニュース」が8月20日に配信した記事では谷真介弁護士が、先に見た橋下徹氏とは反対に、記者会見の姿が「信用失墜行為」(地方公務員法第33条)にあたり、また、県幹部として「責任者的な立場にあったこと」も「処分を加重し得る事情」=「加重事由」となり得ると解説している。

他方で、朝日新聞によれば、「SNSなどで、様々な情報が発信され、批判が殺到する結果を招き、社会的に大きな影響を及ぼすに至った」のであり、「その後の聞き取りでも職員は虚偽の説明を繰り返した」ことが、「重大な信用失墜行為」だとして、秋田県は懲戒処分を下したのだという。

橋下、谷、両弁護士の見解とは異なり、県は、虚偽説明の反復により信用を失わせたというのだが、果たして、そうなのだろうか。

県の聞き取りの詳細が明らかにされていない以上、メディアに出ている限りでは、この男性によるウソは、「自宅」ではなく「ラブホテル」だったところと、「妻」ではなく「配偶者ではない女性」だった点、くらいなのではないか。

秋田県庁第一本庁舎(秋田市山王)
秋田県庁(写真=掬茶/CC-BY-SA-3.0/Wikimedia Commons

「不透明なプロセス」に募る不信感

「その後の聞き取り」と付け加えているのだから、秋田県は、「その後」に「繰り返し」なされたという「虚偽の説明」についても、説明しなければならないのではないか。説明がない以上、「その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為」=信用失墜行為が何なのか、わからないのではないか。

批判された8月6日の記者会見の翌7日に男性が提出した休暇申請を、事後的に受理した県の姿勢は、どうか。「休暇中だったから問題はない」という言い訳で、今回の事案をやりすごそうとしていた可能性はないのか。

県のウェブサイトには、私は、今回の処分についての説明を見つけられていない。人事院の「懲戒処分の公表指針について」では、「職務遂行上の行為又はこれに関連する行為に係る懲戒処分」は公表するものとされており、記者会見では明らかにしたと見られるとはいえ、それこそ、「社会的に大きな影響を及ぼすに至った」以上、多くの人にわかる形で公にしなければならないのではないか。