撤退は敗北ではない

一般的に、旧日本軍というと、「玉砕」「精神論」「一歩も退かない」というイメージで語られることが多い。しかし、実際の『作戦要務令』を読むと、そこには極めて現実主義的な戦略思想が書き込まれている。

その典型が「撤退戦」に対する考え方である。『作戦要務令』では、退却戦について次のように規定している。

「退却戦闘指導の主眼は速すみやかに敵と離隔りかくするに在り」