夢の甲子園まで、あと一歩でした。私と佐藤コーチは、慶應義塾高校・大学の野球部で切磋琢磨した仲。学年は私のほうが1つ上なので、「友亮」と呼んでいます。
私は幼い頃からプロ野球選手に憧れて野球に打ち込んできました。でも、プロ野球に行くようなレベルの選手たちと大学時代に出会い、「彼らには敵わない」と壁をつくっていたかもしれません。一方、友亮は自分の思いを貫いてプロの道に進み、1年目の開幕戦からスタメン出場。常に結果が求められる厳しい世界で12年も現役で活躍し、今もコーチとして貢献しています。諦めないこと。限界を決めないこと――私が仕事においても大切にしているこの2つを教えてくれたのは、仲間の夢を背中にのせて走り続ける友亮の姿でした。
今、彼が日々選手に対して心がけているのは「可能性を信じる」ことだといいます。一方的に教えるのではなく、選手本人の主体的な行動を促すようにしているそうです。
これは、経営者がやるべきことと同じ。自ら考え、同じ方向を向いている組織は強いと思います。私が高校3年生のとき、今と違って決して強くなかった慶應義塾高校野球部が結果を残せたのも、全員が同じ方向を向きながらも自らの頭で考え、のびのびとやっていたからだと思います。
本当のことを言えば、やはり甲子園には行きたかった。それでも、友亮と一緒に戦った学生時代には、人生において大切なことがたくさん詰まっていました。(吉原)
※本稿は、雑誌『プレジデント』(2025年6月13日号)の一部を再編集したものです。
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(構成=本誌編集部 撮影=門間新弥)
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