「優先順位」を他人に握らせない

誰かに頼まれたことを優先しているうちに、最初にやるはずだった仕事が後ろに回っている。作業は着実に片づけているのに、全体としては進んでいない。このずれが起きるとき、仕事の優先順位を他人に握られています。本来仕事の優先順位は、自分が判断軸となるべきものです。

多くの場合、仕事の順番は「重要度」や「締切」で決めるものです。しかし実際の現場では、「誰に頼まれたか」「言われたタイミング」といった要素で順番が入れ替わりやすくなります。声をかけられた仕事を優先して処理していくうちに、予定していた優先順位は崩れていきます。判断の基準が外側にあると、仕事の流れは安定しません。

仮想画面のカレンダー
写真=iStock.com/Panya Mingthaisong
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たとえば、午前中に集中して進める予定だった業務があるにもかかわらず、チャットで届いた依頼に次々と対応してしまうことがあります。一つひとつは短時間で終わる内容でも、その都度手を止めることで、もともとの作業は細かく分断されます。結果として、優先度の高い仕事が後回しになり、締切直前に慌てる状態になりかねません。

判断を求められる立場になることで、基準が揺らぐこともあります。複数のメンバーから「どれからやればいいですか」と相談を受けるたびに、その場の事情や相手の状況に合わせて判断を変えることもあるでしょう。配慮しているつもりでも、その都度基準を変えていては、全体の優先順位が一貫しなくなっていきます。自分自身の判断軸が曖昧だと、場当たり的に仕事を動かす状態に陥ってしまうのです。こうなっては、チーム全体の進行も不安定になります。

「この時間に対応します」で関係は保てる

この状態は、関係性が近いほど強まります。頻繁にやり取りする相手や、影響力の強い人からの依頼は、優先度が高く感じられます。一方で、重要度が高くても締切が先の仕事は後回しになりがちで、質が落ちていきます。こうして、目の前の依頼に引きずられる形で、全体のバランスが崩れていきます。

相手の事情を配慮した判断は、「配慮のある柔軟な対応」と言えるかもしれません。しかし、割り込み作業が発生するたびに、思考の負荷が雪だるま式に増えていきます。さらに、本来進めるべき仕事が遅れることで、重要な仕事の質も担保しにくくなります。

優先順位は「自分の軸で判断する」必要があります。依頼を受けたとき、相手のためにと優先対応するのではなく、今ある優先順位の中にどう組み込むかを考えるのです。すぐに対応しない場合でも、「この時間に対応します」と伝えれば、関係を保ちながら調整できます。基準を守ったまま動くことは、相手を軽視することではありません。

優先順位は状況に応じて変わるものですが、その判断軸は手放さないことがポイントです。主導権を自分に設定することで、仕事は安定して進みます。

POINT
・相手を優先していると優先順位を委ねてしまう
・優先順位の判断軸を握り、流れを守る