怒りのピークを鎮める「6秒ルール」

「6秒ルール」という対処法だ。相手の言動にイラッとした、カチンときた。こんなとき、すぐに大声で言い返したりしないで、6秒だけ待つ。怒りのピークはそう長くは続かず、6秒ほどたつと鎮まっていくからだ。

怒りをやり過ごしているうちに、脳のなかでも理性的な判断を下す前頭葉の働きが増して、冷静に対処できるようになる。怒りに任せて反撃すると、事態は一層悪化する恐れが強い。受けるストレスも強くなり、血糖値が跳ね上がったままになるなど、体にいいことは何もない。腹が立っても、たった6秒待つだけで、怒りをコントロールできる可能性がある。次にイラッとしたとき、ぜひ試してほしい。

仕事をしていると、ストレスを感じることが多いものだ。想定外の事態が発生するたびに、肝臓がグリコーゲンを急いで分解し、血液中にブドウ糖がドバっと放たれる。こんな生活を続けていれば、糖尿病になるリスクがどんどん高まっていく。

ドイツのミュンヘンヘルムホルツセンターの調査でも、ストレスと糖尿病は強い関係にあることがわかった。

プレッシャーで糖尿病リスクが45%上昇

労働者5000人余りを対象に、平均13年間に及ぶ追跡調査。期間中に糖尿病を発症した人を調べたところ、職場で強いプレッシャーを感じている人は、プレッシャーのない人と比べて、発症するリスクが45%も高かった。

この調査の結果は重いが、働いている以上、仕事のストレスからは逃げられない。では、糖尿病のリスクを下げるのは無理なのだろうか。いや、ストレスがたまりそうになっても、うまく対処して受け流す人はいる。そんな人が身につけているテクニックのひとつが、呼吸の仕方を変えることだ。

助けを求めるビジネスマン
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じつは、自律神経をコントロールできる唯一の方法が呼吸。血糖値を上昇させるタイプのホルモンは、交感神経が高まることによって大量に分泌される。一方、副交感神経が優位なときには分泌が抑えられる。

この体のメカニズムを利用し、ストレスを感じたとき、副交感神経を高める「腹式呼吸」を試みるといい。副交感神経が多く集まっているのは、胸部と腹部の境目にある横隔膜の付近。普通の浅めの呼吸ではなく、深くたっぷり息を吸い込み、ゆっくり吐く腹式呼吸をすると横隔膜が動く。この刺激によって副交感神経の働きを高め、交感神経よりも優位にすることが可能だ。

通常の呼吸の仕方は、胸をふくらませる「胸式呼吸」だが、自律神経をコントロールできるのは腹式呼吸。なれないうちは、手のひらを下腹部に当てて、おなかがふくらむのを確かめながら行うといい。5秒ほどかけて息を吸って、その倍の時間をかけて吐くと一層効果的だ。