国民に命じられた「土法炉」の建設

毛沢東がしばしば自国の工業水準の高さを誇るときには、鋼鉄の生産量という観点で語る傾向にあった。中国はイギリスの鋼鉄生産量を3年以内に追い抜く、アメリカを10年以内に追い抜く、という具合である。

こうした目標の達成に全力を挙げるようにと製鉄所が指令を受け、それだけでは十分でなかったために、国民が「土法炉」を建設するように命じられた。金属のくずを使って鋼鉄をつくるための原始的な高炉である。

金属のくずには、調理用の鍋、農具、水を入れたり運んだりするための台車やバケツなども含まれた。木やわらを燃やして燃料にするために家が解体され、森の木は完全に切り倒され(その後の十数年間に起こる洪水の原因となり)、何百人もの小作人が畑から土法炉の作業に駆り出された。