購入率のピークは「選択肢が10個」
結果は次の通りに(図表1)。10本だと約90%で購入率は最も高くなりましたが、選択肢が11本以上になると購入率は下がりました。選択肢が20本まで上がった際は、選択肢が2本しかなかった場合より、購入率は下がっていました。(※参考:『行動経済学が最強の学問である』)。
もちろん、ネットかお店か場所や環境により、ケースバイケースですが、参考にしてみるのも良いでしょう。
つまりは、途中までは選択肢は増えるほど買う、ただし選択肢は多ければ多いほど良いわけでなく、多すぎると決められなくなるので適量である必要性があるということ。
そしてこれは、お金の不安とも深くつながっています。選択肢が増えるほど、比較が増え、迷いが増え、判断力が削られていく。すなわち、不安の正体は「選択肢の多さ」と「比較の増加」にある。だからこそ必要なのは選択肢を増やすことではなく、むしろ選択肢を絞ることと自分の基準を持つこと。これが、迷わないお金の使い方につながっていくのです。
1日で数万回もの「決断」をしている
迷わない人は、決して決断力がある人ではありません。意思が特別に強いわけでもなく、情報量が少ないわけでもありません。彼らがやっているのは、「決断疲れを起こさない設計」です。
心理学では、人は選択や判断を重ねるほど意思決定の質が落ちていくことが知られています。この現象は「決断疲れ」と呼ばれ、多くの心理学研究で確認されてきました。
「今日は何を着よう」「どの電車、バスに乗ろうか」「何時の電車で帰ろうか」「誰にどんなメッセージを送ろうか、話そうか」といった小さな選択に対し、私たちは1日のうちに多くの決断をしています。連続的な意思決定により、その後の意思決定能力が低下する現象として定義されているのです。
一説には、人は1日に数万回もの意思決定を行っているともいわれています。多数の選択は「見えないコスト」を奪っています。1つひとつの決断は小さく見えても、多くの情報を取得、整理、比較、選択し、ようやく決断する――これだけの選択を積み重ねれば、脳が疲労したり消耗したりするのも無理ありません。


