日本と友好国にできる3つのこと
では、高市早苗首相と日本のパートナー国は、実際に何ができるのでしょうか。実践的な3つの手立てが浮かび上がります。
第1に、北京を通らない供給網(サプライチェーン)を築くことです。日本はアメリカ、EU、韓国、台湾、オーストラリアと協力し、工作機械、半導体、ドローン部品、レアアース磁石といった重要品目を、信頼できる仲間のあいだで生産すべきです。目的は中国を完全に切り離すことではなく(それは不可能です)、たった一国が日本の経済と防衛の「電気を消す」ことができない状態を作ることです。国内でのドローン生産やレアアース精製への投資は、具体的で急を要する第一歩です。
第2に、制裁の抜け穴をふさぐことです。いま中国製部品は、第三国やペーパーカンパニーを経由してロシアの兵器工場に届いています。日本はG7と連携し、こうした裏ルートを追跡し、違反企業の情報を共有し、一貫した罰則を科すべきです。民主主義国がばらばらに動いていては抜け穴は開いたままですが、足並みをそろえれば、二股をかける北京の代償は一気に高まります。
第3に、ウクライナの教訓をアジアの備えに変えることです。日本はウクライナの経験から直接学ぶべきです。安価なドローンがいかに戦場を変えたか、供給依存がいかに弱点になったか、そして国がいかに素早く適応しなければならないか。
台湾やフィリピンなどのパートナーと、平時の今のうちに技術や訓練を共有しておくほうが、危機が始まってから慌てるよりはるかに賢明です。抑止力は、前もって築くものであって、砲火の下で即席に作るものではありません。
どれも派手な手立てではありません。壮大な演説も軍事パレードもありません。しかし、仲間うちでの静かで着実な準備こそ、北京が最も見たくないものなのです。
慌てふためくな、備えよ
中国製の工作機械がロシアのミサイルを作り、中国製のドローン部品がウクライナの反撃を助ける――。この光景は、習近平が21世紀の「力」をどう考えているかを映す窓なのです。
中国は学びました。勝つために、どちらかの側につく必要はない、と。必要なのはただ、誰もが依存する道具、部品、技術を握り、あとは他人に戦わせ、血を流させることだけなのです。習近平の静かな計算は、戦場で何が起ころうと、中国は得をするというものです。
日本とその友好国にとって、答えは恐れでも、慌てふためくことでもありません。それは「備え」です。今、問われているのは日本にいる私たちが同じ教訓を学ぶ気があるかどうか。同じゲームが、私たちに対して仕掛けられる前に。


