――5月6日に2000本安打を達成しましたが、プロ25年目での達成は史上最も遅い記録。42歳という年齢も、史上最年長記録。野村克也氏(南海ほか)が持つ3017試合出場という日本記録にも、あと117試合に迫っている。まさに“カメ”の歩みですね。

【谷繁】瞬間、瞬間に何が必要かを考え、必死にやってきた。その積み重ねが今日をもたらした。人生を振り返り、はっきりいえるのは、1度も流れに逆らわなかったこと。高校進学も、第1志望の広島の学校に行けず、島根に行ったことで、甲子園に出場し、運が開けた。今回のプレーイングマネジャーも、自分がそうなりたくてなったわけじゃない。気がついたら、そうなっていただけ(笑)。流れに逆らわず生きてきたことが、運を呼んだのかもしれませんね。

――過去、日本シリーズを制したプレーイングマネジャーは、1950年の湯浅禎夫氏(毎日)しかいないのですが、調べてみると、シーズンで1試合、たった4イニングしか投げていなかった。

【谷繁】でも、その前に原巨人を倒さなくてはいけない(笑)。楽天との日本シリーズで、ああいうふうに攻めれば抑えられるとわかりましたから、大まかな形ができあがりました。ファンの人には、来季をぜひ楽しみにしてほしいですね。

中日ドラゴンズ選手兼任監督 谷繁元信
1970年、広島県生まれ。島根・江の川高校から88年ドラフトで横浜大洋(現・横浜DeNA)に1位指名され入団。88年夏の島根県予選で、3打席連続を含む5試合連続の7本塁打を記録。プロ野球通算2900試合出場、8501打数、2051安打、1013打点、227本塁打、打率2割4分1厘。13年中日ドラゴンズの選手兼任監督に就任。
(松下茂典=取材・構成 山口典利=撮影)
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