勝率を上げれば使わざるをえない

中日ドラゴンズ選手兼任監督 
谷繁元信氏

中日ドラゴンズのプレーイングマネジャー(選手兼任監督)として、捕手の谷繁元信氏に白羽の矢が立ったのは、白井文吾オーナー(85歳、中日新聞社会長)が「考える力、構想力を持っている」と評価し、落合博満・新GM(ゼネラルマネジャー)が「器が大きく、人間性がある」と賛同し、両者の意見が一致したからにほかならない。辛口で鳴る落合氏の褒め言葉は滅多に聞けるものではない。

――13年10月10日の就任会見では、“負けない野球”というスローガンを掲げました。

【谷繁】相手の得点を0に抑えれば、試合に負けない。失点が相手より1点でも少なければ、試合に負けない。野球というのは、足し算のゲーム。1点ずつ積み重ねていき、相手より1点でも多く取ったほうが勝利を収める。でも、捕手の発想はちがう。ゲームセットの形を考え、常に引き算をしている。つまり、相手との点差を始終気にかけているんです。

――25年間の選手生活で、11人の監督に仕えたわけですが、いちばん印象に残っている監督は。

【谷繁】やはり、落合さんでしょうか。2004年に落合さんと出会ったんですが、いきなり「そんなにのんびりしていていいのか」といわれ、戦いが始まりました。ちょっとしたことで代えられたり、使ってもらえなかったり。どうやったら(試合に)出られるかを考えた末、自分が出たときの勝率を上げれば使わざるをえなくなるだろうという結論を出した。勝てば試合に出られる。じゃ、勝つためにはどうするか。そのくり返しでした。