️4割の人が「バニラ味との違いが分からない」と回答

商品開発戦略の立案に携わったマーケティング本部の藤江亨さんに尋ねると、苦笑いを浮かべて開発当時の「誤算」を振り返った。

「そうなんです。実は、ザ・ミルクの開発時に消費者意識調査を実施したところ、約4割が『バニラ味とミルク味の違いが分からない』と回答しました。この結果は私たちには衝撃でした。というのも、私たちには『バニラ味とミルク味はまったく違うもの』という前提があったからです。開発メンバーも全員が『別物でしょ』と考えていました。おそらく、私たちは年がら年中、アイスクリームに向き合っているので、知らず知らずのうちに消費者の意識と乖離していたのだと思います」

ザ・ミルクとバニラの「被り」は、開発時には不安材料として顕在化していた。ならば、なぜ商品化に踏み切ったのか。その裏には、ハーゲンダッツが発売以来、貫き続けてきた、こだわりがあった。