「ギルティ消費」で風穴をあける

そもそも人口が縮小していく中で、飲料の市場全体が大きく拡大することは難しい。そのため高付加価値、高価格商品を増やす動きもある。カフェインを高配合したサントリーの「ZONe ENERGY」などはその一例だ。しかし有糖炭酸飲料で目指すのは難しかった。価格が高くなれば購買者の絶対数が減少してしまうからだ。市場を活性化させるには、若い世代にアピールしつつ、さらに広い世代に飲まれる必要がある。

「停滞した状況に風穴をあけるような商品が是非とも必要でした。若い世代に強くアピールし、成長のドライバーとなり得る新たなブランドです」

そこで大槻氏が着目したのが、主に食の分野で盛り上がっていた「ギルティ消費」だった。

ギルティフードを食べながらダラダラする

「『これを有糖炭酸飲料でやったら面白いのでは?』という思いつきがきっかけでした。若者の生活を調べてみると、休みの日には一人でギルティフードを食べながら、ストリーミングサービスを見てダラダラする。それがストレス解消になると。またギルティフードの市場が健康市場の拡大と比例して伸びていることも決め手となりました。ギルティなものを求めるのは一部の層の限られたニーズではなく、万人が持っている気持ちということです」

つまり、ギルティ消費が高まってきた理由の一つとしては、コロナ禍をきっかけとした健康意識の高まりがある。普段は食を節制するが、そればかりではストレスが溜まってしまう。ときどきは好きなものを好きなように食べたい。これが、あえて高カロリーで味付けも濃いもの、ギルティフードのニーズへと繋がったわけだ。

ただ問題は、ギルティな炭酸飲料を誰もイメージできないことだ。食品なら、ラーメン、ハンバーガー、スナック菓子などいくらでも思いつく。そして飲料なら、アルコール度数の高いチューハイなどがまず思い浮かぶ。

アルコールも入っていないのに罪深さを感じてしまうギルティ炭酸とは、どんな味なのだろうか。