ハートウォーミングなストーリー
ディエゴが逮捕されたとの一報を受け、私はすぐにディエゴと彼の家族に宛ててメッセージを送り、釈放のためにあらゆる手を尽くすと約束しました。すると留置場のディエゴから、実に感動的な返信が届きました。
〈ありがとう、マーク! メッセージをいただけて光栄です。こちらはすべて順調です。法務チームがすばらしい仕事をしてくれています。今回のことは、世界をよりオープンでつながりのあるものにするための私の務めです……私にまかせてください!〉
すばらしい。なんと心強い言葉でしょう。これが私たちのコミュニティを守ろうとして留置場に入れられた、チームの一員からの言葉です。
ディエゴにまかせておけば大丈夫――私はそう確信しています。みなさんも友人とメッセージをやりとりするとき少しでも安心してもらえたらと思います。ディエゴのような人々が私たちのコミュニティのために闘っていますし、彼らにまかせておけば大丈夫とみなさんにも感じていただけるでしょうから。
こんな投稿をするのはなぜいけないのか、私たち全員がマークにわからせようとした。そもそもブラジル政府がWhatsAppのメッセージの提出を求めているのは、人を殺し、大勢を誘拐している犯罪組織の訴追のためだ。しかも判事まで殺すと脅している。なのに、メッセージの提出を拒否することを「コミュニティを守るため」と表現するのは、あまりにも無理がある。
社員を苦しめるだけなのに
それに法の観点からも、この投稿は致命的だ。Facebookの最高顧問弁護士はメールで、いまはブラジルの法執行機関に喧嘩を売るタイミングではないと書いている。
ブラジルのLE〔法執行機関〕を刺激するおそれがあります。ディエゴ個人が直面している危険(この件はいまも係争中)を高めるだけでなく、ブラジルの全従業員が負うリスクも増大させかねません。現地の状況は流動的である上、裁判官の判断は予想できず、事態が急速に悪化するおそれがつきまといます。
またエリオットは、仮にこれを投稿すれば、ディエゴを留置場から救い出すための最大の抗弁をマークが自分の手で破壊することになると指摘した。Facebookの法務チームは、法廷に出て、WhatsAppとFacebookは別会社であり、したがってWhatsAppのメッセージを理由にFacebookの社員を投獄するのは不当だという主張を改めて展開するのが唯一の勝ち筋だと結論づけている。
それなのにマークの投稿は、2社は同一であり、自分がそのトップであると認めるような内容になってしまっているのだ。顧問弁護士は、仮に裁判官がマークの投稿を目にすれば、防御線は一発で破綻し、「次に逮捕される社員を釈放させるのはいっそう困難になる」と述べた。

