スマホを解約した

アラーム代わりにスマホを使っている人は目覚まし時計を買ったほうがいい。次の段階として、家族が揃って食事をするときに電源を落とす。そして「スマホがなくても楽しく暮らせる経験をするのが第3段階」という。休日は家にスマホを置いて出かけるのも楽しいかもしれない。

最後に、私自身の「創造性の低下」について川島教授に相談をした。実は私は1年半前までガラケーを使っていた。方向音痴のため取材先に行くまでに道に迷ったり、外出先でゲラがチェックできなかったり、不便なことはたくさんあったが、いつも何とかなっていたし、取材執筆に楽しさがあった。それがスマホを持ってからは便利になったはずなのに、生産性が高まらず、仕事に向き合うのが苦しい――。

と話すと、川島教授はうなずきながら「創造性が高まるのは情報を遮断しているときです」と答えてくれた。

「情報が外からバンバン入ってきたら、自動的に受け取るのに精一杯でクリエーティブなことはできません。また創造力は前頭葉の働きですから、スマホを使っていればどんどん劣化するでしょう。スマホの世界から離れて、リアルな体験を増やす。誰かと食事をするでも料理をつくるでも、旅行や演劇を楽しむことでもいいでしょう。すると脳がたくさん使えて、多くのインプットができます。そのうえで、情報を遮断し、インプットしたものを頭の中でこねくり回すと、豊かな発想を得られます」

これを聞き、私はスマホを手放そうと、川島教授への取材から2日後に解約した。今はガラホを使っている。インターネットに接続はできるが見にくいので、もう移動中にニュースをチェックすることはないだろう。目的地への道案内もしてもらえないから不便になる。LINEだって使えない。それなのに今は、手放した開放感がたまらない。

筆者が購入したガラホ
筆者撮影
筆者が購入したガラホ

私たちは何のために生きているのだろうか。次々に新しい情報を得て、便利さを得て、その先に何があるのだろうか。スマホを手放せとは言わない。でもぜひ一度、脱スマホの一日を体感してほしい。「思ったより時間がある」ことに気づくと、本当にやりたかったことに取り組め、毎日が楽しくなる。

(初公開日:2026年6月1日)

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