巨熊5頭が炭焼き小屋で暴れ回り…
九月三十日夜七時頃、外知床字保多村より山中約十五町奥の炭焼き小屋へ突然、大熊五頭が現れ屋内を暴れ廻り、折柄同小屋内に起居していた佐々木某および山口某両君がかくと知り人と熊との間に大格闘が起こり、大胆にも佐々木は巨熊と組み打っていたが、ついに巨熊のため惨々なる目に会ってその場に打ちのめされ絶命した、一方山口は辛うじて深手を負いながらもようやく部落まで逃げのび村氏に逐一を物語ったが、なにぶん深手であるため生命は覚束ない(「樺太日日新聞」昭和5年10月2日)
数日前、倶知安町字岩尾別の農家付近に一頭の大熊現れ、岩内道路に面した農家の台所より屋内に入り、汁鍋と飯櫃をひっくり返してこれを喰らい悠々逃げ去ったが、当時家族の者は畑に行き、一名の少年が留守をしていたが、恐怖のあまり奥座敷へ駈け込み、頭から布団をかぶり息を殺してうかがっていると、熊はそのまま逃げ去ったと(「小樽新聞」大正5年10月23日)
明らかに「エサ場」と認識していた
筆者の実体験に戻れば、1度目のケースは比較的ノーマルで、クマは筆者を認めるとさっさと逃げ去った。
しかし2度目のケースは危険である。この時のクマは、明らかに拙宅を「エサ場」と認識しており、筆者を認めると、エサを横取りされまいと排除行動、つまり攻撃に出た。
体格からして十分に育ったオスの成獣で、人間を恐れない危険な個体であった。
この場合は、筆者のように無理に追い払おうとはせず、身の安全を確保した上で警察に連絡するのがよいと思う。
そして冒頭のケースにもあるように、再び出没する可能性が高いので、確実に駆除することが肝要だろう。
それにしても物損ですんだのは幸いであった。
もしもあの時、窓から侵入されていたら、怪我ではすまなかったに違いない。
「人喰い熊評論家、クマに襲われ重傷」
などと報道されたら、天下の笑いものではないか。


