炭火で焼いた焼き魚を約10分で提供する定食屋チェーン「しんぱち食堂」が人気を集めている。この「干物のファストフード」を2026年4月、すかいらーくホールディングスが110億円を投じて傘下に収めた。どこに魅力を感じたのか。同社常務取締役CFOの北義昭氏と、しんぱち取締役の早川順一郎氏に取材した――。
「理想の和定食」求め、30席に1日700人
ジュウジュウと音を立てるような、焼きたての魚の干物に、お椀にこんもり盛られたほかほかのご飯、味噌汁に漬物……。こんな「理想の和の定食」が、1000円前後でサクッと食べられる。
そんな「干物のファストフード」を標榜するチェーンが勢いに乗り、現在、都内近郊を中心に60数店舗を展開している。
その名は「しんぱち食堂」だ。
売り上げトップレベルの川崎銀柳街店は1日に約700人が来店。席数は30席だから、20回転以上している計算になる。午前5時から翌日午前3時まで22時間の営業時間内、全席が埋まりっぱなしのようなイメージだ。
おいしさに加えて、生ビール中ジョッキが200円以下、高級ネギトロなどの小皿が約100円というコスパの良さも人気を集める理由となっている。
2度値上げしても客は離れなかった
物価高騰にあって2回ほど価格改定を行っているが、それでも客足は離れず、安定した支持を得ている。
そのおいしさとコストパフォーマンスに着目し、2026年4月にはすかいらーくホールディングスが、運営会社のしんぱちの全株式を投資ファンドから買収し、傘下に収めた。2024年の資さんうどんに続く子会社化や、110億円と高く評価された買収額が相まって、話題となっている。
ファミレスのイメージが強いすかいらーくが、なぜ干物のファストフードに手を広げるのか。そして、速い、おいしい、安いの三拍子を実現させているしんぱち食堂のビジネスモデルとは、どのようなものなのか。




