「できた」を積み重ねていく
②がんばり前提の目標か、「続けられる目標」か
先延ばしする人はがんばれば達成できる目標を設定する傾向にあります。
私自身も、過去に「毎日10キロ走る」など、そのときの自分にとっては負担が大きすぎる目標を立てて、結局続かずに目標設定を低めに設定し直した経験があります。がんばろうとした結果、自己効力感を下げてしまっては本末転倒。
瞬動力が高い人は、「これなら自分にもできる」「これなら毎日続けられる」と思える目標設定をしています。
先延ばしする人の目標
・毎日2時間勉強する
・毎日10キロ走る
今の自分から見ると負担が大きすぎる目標設定を立ててしまいがち。一度崩れると、「やっぱり自分は続かない」と自己効力感が下がり、ますます動けなくなる。
瞬動力が高い、すぐやる人の目標
・まずは10分だけ勉強する
・まずは5分だけ散歩する
「これなら続けられそう」と思える小さな目標からスタート。最初は少ない回数からはじめ、慣れてきたら少しずつ増やしていく。「できた」が積み重なるほど、「自分はやればできる」という感覚(自己効力感)が上がり、自然と行動が続きやすくなる。
目標を細分化する3つのメリット
すぐやる人は目標を細分化している、と言われても、なぜそこまで細かくする必要があるのか、ピンと来ない方も多いと思います。ここでは脳の仕組みや認知科学の観点から見た「細分化のメリット」を3つ、解説していきましょう。
①不安が減り、「脳が動きやすいサイズ」になる
大きくて抽象的な目標ほど、「どこから手をつけたら良いかわからない」「失敗したくない」という不安や抵抗感を呼び起こします。見通しの立たない課題は、脳にとって未知であり、不確実なものだからです。
こうしたときに関与するのが、不安や恐怖に反応する扁桃体です。扁桃体は、危険の兆候を察知し、私たちを守ろうとする役割を担っています。
不確定なことや新しい挑戦に直面すると、「今は動かないほうが安全だ」とブレーキをかける。それは怠けているからではなく、生存本能に根ざした自然な反応なのです。
しかし、この防御反応が強く働きすぎると、必要な一歩まで止めてしまう。その結果として生まれるのが、先延ばしです。
一方で、目標を「今日やるのは、この10分だけ」「最初の一歩は、タイトルを3つ書くだけ」というように小さく分解すると、「これくらいならできそうだ」という感覚が生まれます。
すると脳は、その課題を対処できるものとして受け止めます。不安や抵抗感は和らぎ、ブレーキをかけていた扁桃体の働きも落ち着いていきます。その結果、計画や判断をつかさどる前頭前野がスムーズに働きはじめるのです。

