一方、一貫して男系男子による皇位継承と今回の養子案を支持して来た産経新聞は、「成立へ前進したことを歓迎する」としている。

ただ、養子案は愛子さまの皇位継承を妨げるのが狙いだという批判があることを意識してか、「愛子内親王殿下は皇位継承資格をお持ちではないが、その即位を唱える向きが世間の一部にある。これが、秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下から将来の即位を奪う重大事態である点が理解されないまま論じられているのはとても危うい話だ」とわざわざ愛子天皇論に言及し、「『愛子さま天皇』論は、皇室の歴史と伝統、今上陛下の示したお立場に沿っていない」と、国民の間に広がりつつある「愛子天皇待望論」にあえて釘を刺している。

「国民の総意」には程遠い

大手メディアの多くが批判しているように、旧宮家の男系男子を養子にする案が広く国民の理解を得ているとは到底言えない。

それはマスコミの世論調査からも見て取ることができる。

週明け発表された産経新聞・FNNの合同調査によると、「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する」ことには賛成が71.0%、反対が16.8%だった。一方、「旧宮家の男系男子を養子として迎える」ことには、賛成が57.2%と半数を超えたものの反対も31.7%にのぼり賛否が割れている。

一方、JNNの調査では、女性皇族の身分保持案の賛成は73%とやはり7割を超えたが、養子案への賛成は41%にとどまり、反対の35%を上回ったものの、やはり大きく賛否が分かれる結果となっている。

またNHKの調査では、今国会で改正すべきかどうか聞いたところ、改正すべきだ38%、その必要はない41%、わからない・無回答が21%という結果だった。

国会での論議が進むにつれて、国民の理解が進むどころか、むしろ迷いが生じている可能性を示唆している。苦労して立法府の総意をまとめ、法案化まで漕ぎつけたのだが、国民の総意としてまとめるには程遠い状況になっているのだ。

中道は「党内がまとまらないから賛成」

衆院本会議の採決で、党内の反対論を抑えて賛成に回った中道改革連合からは4人の造反者が出た。早稲田夕季副代表、有田芳生氏、神谷裕氏、そして野間健の4氏だ。

いずれも、男系男子にこだわり続けることを批判し、女性天皇の検討も選択肢に入れるべきだとしている。苦渋の決断(小川淳也代表)で賛成した党の方針がやはり国民の理解は得られないという意思表示だ。

「小川代表は『党派的対立を避けるための苦渋の選択だ』と言っていたが、本音は『党内対立を避けたい』ということだ。旧公明と旧立憲でこの問題への考え方は違っている。特に公明党の地方議員は、この20年間、男系男子の継承を求める意見書を自民党と一緒に提出してきた。それが急に反対とは言えない、というのだ。自公連立の感覚が染みついている。それに石井啓一氏が副議長だ。さらに旧立憲内部でも男系男子を主張する議員もいる。党内がまとめられないから賛成するという野党としては情けないことだがそれが実態だ」

中道の関係者は、そう指摘した。