伊豆半島、四国のお遍路をひたすら歩く

ツアーの目的地は北海道から沖縄までさまざまで、中山道ツアーや伊豆半島をぐるっと回るツアー、四国のお遍路さんのルートをたどるツアーなどさまざまなプランが用意されている。日程のなかに有名観光地を含むものも少なくない。しかし、あくまでも主眼は徒歩で日本の田舎に触れることであり、ツアーの平均日数は9日間、多くの場合参加者は連日少なくとも数時間は歩くことになる。いわゆる大都市観光は東京2日間のプランなどごくわずかだ。

一つのツアーグループの人数は12人までと一般のインバウンドツアーよりぐっと少ない。1人しか参加者がいなくてもツアーの催行は保証されている。大半のツアーには、日本の地理や歴史、文化に精通し、日本語と英語を話すツアーリーダーが同行する。ツアーリーダーは現在81人。Walk Japanではツアーリーダーの育成と確保に当初から力を入れており、毎年定期的に総会を開き、日本への理解を深めている。ツアーリーダーによって参加者は少人数で快適で安全なウォーキングを楽しむことができる。

62万円払って京都→東京を歩く驚きのツアー

Walk Japanが最初に手掛けたツアーのひとつで、現在も人気の定番商品となっている中山道ツアーは、日本の旅行会社の国内ツアーではめったにお目にかからない10泊11日。全行程にツアーリーダーが付き添う。ツアーは、中山道の終点である京都市内に集合してスタート、街道の起点の東京・日本橋を目指す。まず、ローカル鉄道を使って、通常のインバウンドのツアーではあまり訪れない彦根と関ケ原を徒歩で回り、3日目に岐阜県内の宿場町、御嵩みたけに入る。

Walk Japanのツアーが行われている中山道
画像提供=Walk Japan
Walk Japanのツアーが行われている中山道

ここからツアーのハイライトともいえる妻籠つまご馬籠まごめの両宿場町を含む合計90km近いルートを街道に沿って5日間かけて歩きとおす。宿泊は街道沿いの温泉旅館が中心だ。その後、鉄道移動をまじえながら御嶽山のふもとの開田高原を歩いたり、軽井沢を散策したりしたのちに、新幹線で東京まで移動、東京駅からツアーのゴールである日本橋まで歩いて解散となる。

ウォーキングツアーといっても単に歩きどおしではない。ツアーリーダーが、「姫街道」とも呼ばれる中山道のいわれや、「本陣」などの江戸時代の街道のシステムなどをきめ細かく説明してくれ、安藤広重の美術館を訪問するなど観光の要所も外さない。余裕のある日程なので地元の人と交流する時間もたっぷりある。ここまで徹底的に中山道を堪能する機会は日本人にとってもまずないだろう。

ただし、旅行代金は1日1人あたり平均6~7万円と高額だ。中山道ツアーは62万円から68万円、私が一部同行させてもらった国東半島のツアーでも31万円以上かかる。日本までの往復航空運賃は含まれていない。空港の出迎えはないので、自力でツアーの集合場所まで行かなくてはならない。