「愛子天皇」阻止に走る麻生副総裁

そのとき、愛子内親王は「孤高のプリンセス」として報じられるだろう。

「なんと不思議なあり方ではないか。不可思議な国ではないか」。そんな報じられ方をして、それが日本に伝えられたとき、私たちはそれをどう受けとっていいのか、困惑するしかなくなる。

こうした「未来予測」について、皇室典範改正に邁進する自民党副総裁の麻生太郎氏などが気づいたとしたら、いったいどういうふうに考えるだろうか。

おそらく、そんなことはあり得ない話だと、いっさい無視するに違いない。とにかく今は、「愛子天皇」の実現を阻止するために旧宮家からの養子の道さえ開いておけばいい。その思いだけで突っ走っているのである。

自民党役員会に向かう麻生太郎副総裁=2026年6月29日、国会
写真提供=共同通信社
自民党役員会に向かう麻生太郎副総裁=2026年6月29日、国会

ここまで愛子内親王が結婚することを前提に話を進めてきたが、今の方向で皇室典範が改正されたら、皇族の身分を保持した女性皇族が結婚するのは、ひどく難しくなる。

女性皇族には住民票が与えられ、スマホの家族割も可能になると説明されているが、そんなことが利点になるはずもない。

そもそも、どこに住民票を置くことになるのか。それが想定されてもいないし、準備もされていないのだ。

要は、愛子内親王には一刻も早く結婚し、身分保持を選択せずに、皇室から出ていってほしい。そういうことだろう。そうなれば、「愛子天皇」待望論はしずまるからだ。

皇室典範改正に潜む政治家の本音と欲

そうなると、皇族数の確保という当初の議論が、まったく違う方向にむかってしまったことになる。

麻生氏などの本音は、皇室が量の面でも、重要度においても弱体化し、天皇が憲法で規定された国事行為を果たしさえすれば、それでいいということなのであろう。

天皇や皇族が公務にはげみ、国民との間の絆を深めていくことは、自分たちが政治を行う上で邪魔だ。そうした意識と権力欲が麻生氏などの政治家に働いているようにしか思えない。

だが、たとえ愛子内親王は結婚して皇室を離れたとしても、「愛子天皇」待望論が消滅することはない。

何しろ、すでに何代も一般国民として生活してきた人間が、皇族に復帰する道が開かれようとしているからだ。今回の無理な改正は、これまでの伝統を根本からくつがえすものであり、原則が失われている。見直しの必要が付帯事項にも含まれるわけで、将来の改正はむしろ容易になった。無体な法改正が、皮肉にも自滅し、未来の道をつくることになったのだ。

どんな未来になっても、いついかなる時でも愛子内親王は、皇室に戻れる。その子どもも同じなのである。その時、どれだけ大きな歓呼の声が上がるものだろうか。麻生氏らが恐れているのは、そのことなのである。

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