奇妙な現実が起きてしまう皇室典範改正
想像を続けよう。
実は、その時点で、愛子内親王は結婚しており、子どももいる。けれども、夫や子どもには皇族の資格が与えられず、一般国民のままなので、一般参賀の際に、天皇や皇族の列に加わることはできない。
夫と子どもは、こっそりと参加者のなかに加わっていて、夫は子どもに対して、「あれがお母さんだよ」と声をかけているかもしれない。だが、参加者のなかに、それに気づく人もいない。夫と子どもは、決して表舞台には出てこないからだ。
「そんなことがあり得るのか」――多くの人たちはそう思うであろう。
しかし、今国会で進められている方向で皇室典範が改正されれば、それが現実になる。
養子に入った男性のもとに生まれた男の子には将来の天皇への道が開かれ、愛子内親王は世にも稀な、奇妙な、家庭生活を送るしかなくなるのだ。
一人っ子の場合、周囲に兄弟姉妹がいないので、日頃一人遊びをするようになるし、空想癖も強まっていく。一人っ子として育った愛子内親王であれば、そんな想像力をたくましくすることがあるかもしれない。式子内親王の「涙の歌」が頭をよぎるのは、その瞬間である。
国際親善の場でも生じる違和感
そうした奇妙な状況は、愛子内親王が国際親善のために海外を訪れたときに、さらに明確になっていく。
すでにラオスを単独で訪問し、今年の秋にはシンガポールを訪れるであろうが、その先にはヨーロッパ訪問が待っている。
皇族が結婚していれば、夫婦や一家での訪問になるが、夫や子どもが一般国民のままであれば、同行は難しい。同行したとしても、受入先の相手国は、その皇族と結婚した一般男性や子どもをどのように扱ったらいいのか、大いに困惑するに違いない。
そんな事態が予想される以上、愛子内親王は、独身時代と同じように、単独でヨーロッパを訪れるしかない。
ヨーロッパを訪れるとすれば、王室のある国が中心になろう。イギリスであれば、国王は男性で、次の代のウィリアム王子も、さらに次のジョージ王子も男性である。そこでは、愛子内親王の特殊な立場は目立たない。
だが、今回、天皇皇后夫妻が訪れたオランダやベルギーになると、長子が継承するように憲法が戦後改正されており、次代は女王が誕生することになっている。
愛子内親王が結婚後に訪れる頃には、すでに同年代の王女は王位に就いており、結婚もしているであろう。当然、現地のメディアは、自分たちの国の女王や王女と愛子内親王を比較する。ヨーロッパでは、王室の女性が結婚した相手も王族の一員になる。その間に生まれた子どもも同様である。
ところが、日本ではそうはなっていない。

