問題解決の「2大アプローチ」
勇気づけができるか、逆に勇気くじきをしてしまうかは、「教える側」が問題や課題にどう向き合うかに大きく影響されます。
問題や課題へのアプローチは、大きく分けて「プロブレムフォーカス(問題思考)」と「ソリューションフォーカス(解決思考)」があります。
「プロブレムフォーカス」とは、「なぜできないのか」「何が悪かったのか」「どこに問題があるのか」と、原因を分析する思考法のことです。
一方、「ソリューションフォーカス」は、「どうなれば理想なのか」「そこにはどのようにしたら近づけるのか」「できている部分は何か」と解決の方向に目を向ける思考法です。
1 プロブレムフォーカス
たとえば、資料づくりがなかなかうまくできない人がいるとしましょう。
その相手に対し、「プロブレムフォーカス」でアプローチする場合には、こんな質問になります。
なぜうまくできないのですか
うまくいかない理由は他にもありますか
誰かが資料づくりを阻害しているのですか
ちゃんとつくろうという気持ちはあるのですか
これまで資料づくりができなかったケースには、どんな共通点がありますか
これは、その人の「できなかったこと」「できていないこと」、つまりマイナス面ばかりにフォーカスを当てていることがわかるでしょうか。
こうした質問に答えれば答えるほど、相手は「できない理由」を自ら掘り起こすことになってしまいます。これは単なる粗探しであり、相手の自信やエネルギーを削いでしまう「勇気くじき」のアプローチだと言っても過言ではありません。
だから、自分では冷静に穏やかに、あるいは優しく話しているつもりでも、相手を精神的に追い込んでしまうのです。
このやり方だと、質問を投げかけているほうも相手の欠点ばかりが見えてきて、どんどん不快になっていきます。そのせいで、その場の空気も悪くなり、せっかく築いた良い関係性も、悪化してしまいかねないのです。
2 ソリューションフォーカス
一方、未来の解決をつくり出す「ソリューションフォーカス」でアプローチすると、質問がこんなふうに変わります。
今までのところでできていることは何ですか
さらにできるようになるためには何が必要ですか
この資料がうまくできたらどんなことが実現しますか
何があればもう一歩進めますか
これまで資料づくりがうまくいったケースには、どんな共通点がありますか
このような質問だと、相手は自然と「できている部分」「これからできること」といったプラス面や、過去の成功体験も含めた自分の強みに目を向けられます。

