仮に20%の奨励金制度がある企業に勤める会社員であれば、全世界株式への毎月の積立を5万円に抑えて、奨励金を前提に2万円を持株会に回し、自社株が過去20年間の市場平均(TOPIX配当込み指数)並みのリターンを上げると仮定すれば、20年後の株式・投信保有額は約9600万円に達し、富裕層がほぼ視野に入る。
長期運用は会社員の特権
業績が好調で、自社株の運用パフォーマンスが長期にわたり市場平均を上回るような企業に勤めていれば、持株会を有効活用することで富裕層になる可能性が高い。反対に、業績が振るわず自社株のパフォーマンスが市場平均を下回り続ければ、富裕層への到達は遠のく。持株会をどこまで資産形成に組み込むかを判断するにあたっては、勤務先の将来性を見極める目利き力が必要であろう。
もっとも、持株会は個別株への投資という位置づけになるので、ここに大きく資金を振り向けることは、複数企業に投資する投信などの金融商品を購入するよりも高いリスクを伴うことも認識しておくべきだ。
長期の資産運用を目指す会社員の強みは、機関投資家のように、短期的な期間収益を計上する必要がないことである。投資期間において保有資産が一時的に目減りしても、顧客や株主、経営者などに説明責任を負わない。
保有資産の短期的な増減に一喜一憂せず、長期で資産を育てる姿勢を保てるかどうかが重要だ。現役世代であれば、利子・配当収入を生み出す金融商品を長期保有することで「複利効果」を取り込みやすい。
平均的な勤労者世帯であっても、相場の上下にかかわらず投信や持株会へ淡々と積み立てを続けた結果、純資産が1億円を超えて「いつの間にか富裕層」になるのである。



